評論家のバノン氏とサンダース上院議員は、人工知能を抑制する必要性について同様の主張を示したが、中国政府との協力を巡っては立場が分かれた。
左右のポピュリストが一堂に会した。無所属のバーニー・サンダース上院議員(バーモント州)と評論家のスティーブ・バノン氏は9月15日、「プロ・ヒューマン・アセンブリー」で演説し、両氏が人工知能(AI)のリスクとみなす問題について語った。
両氏の相次ぐ演説は、最先端AIを巡り、左派と右派の少なくとも一部に意見の一致があることを浮き彫りにする狙いがあった。最先端AIを巡っては、AI企業アンソロピックのダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)、xAIのイーロン・マスクCEOらAI業界の指導者が技術開発の減速を求めたことを受け、厳しい目が向けられている。
一方、トランプ大統領らは、最先端AIの開発を引き続き進めるよう主張している。
プロ・ヒューマン・アセンブリーでは党派を超えた意見の一致がみられたものの、サンダース氏とバノン氏は、AI研究における米国最大の競争相手である中国への対応について、全く異なる方針を示した。サンダース氏がAIをめぐる協力に直ちに乗り出すよう主張した一方、バノン氏は、米国は中国共産党(中共)からさらに切り離されるべきだと述べた。
来週予定されているトランプ氏と中共党首の習近平との会談を前に、サンダース氏は中共と米国に対し、「文明的な方法で歩み寄り、AI超知能の禁止を実現する」よう呼びかけた。
AI超知能(ASI)とは、あらゆる分野で最も優秀な人間をしのぐ可能性がある、将来の仮説上の人工知能を指す。
サンダース氏は、こうした合意を、米国とソ連が相互に不信感を抱きながらも、冷戦末期に締結した中距離核戦力(INF)全廃条約になぞらえた。
「人類の存続が懸かる中、両国はその条約に署名する道を見いだした」と述べた。
さらに、民主社会主義者であるバーモント州選出の無所属上院議員は、「われわれはこれを世界規模で止めなければならない。数週間後には、その条約に向けて大きく前進する機会がある」と語った。

習近平は9月24日にトランプ氏と会談する予定だ。
中国外務省の郭嘉昆報道官は、米国のテクノロジー業界の指導者が最近、最先端AIの開発速度を抑えるよう求めていることについて、「悪意ある競争」に当たると述べた。
バノン氏は、中共が合意案を受け入れることに懐疑的な見方を示した。中共は合意条件を守らず、「意味がない」とした上で、「交渉には永遠ともいえる時間がかかる」と述べた。
元トランプ大統領顧問のバノン氏は、最先端AIの開発を減速させようとする取り組みが、中国によるAI支配を促すとの主張に異議を唱えた。その上で、中国に対抗するための、より広範な提案を示した。
「われわれは今、人工知能のエコシステムのあらゆる側面を中共から隔離すべきだ」と述べた。
さらに、米国は「中国籍の人々を全員、研究所から退出させ、中国本土へ戻すべきだ」と語った。
その対象となる従業員は相当数に上る可能性がある。マクロポロが2025年に行った分析によると、米国の最先端AI研究所に所属する研究者の3分の1以上が、中国で学士号を取得していた。
バノン氏は、米国と中共を完全に切り離すことで、米国は規制の詳細を検討するための時間と余地を確保できると述べた。
「創造性や意欲、緊迫感を抑え込まない規制制度とはどのようなものか。どのような形になるのか」と語った。
未来生命研究所が主催したプロ・ヒューマン・アセンブリーには、政党や思想的立場の異なる他のAI批判派も集まった。
登壇者には、保守派の重鎮である共和党のチップ・ロイ下院議員(テキサス州)と、強硬な進歩派である民主党のグレッグ・カサール下院議員(同州)が含まれていた。


共和党のジェイ・オバーノルティ下院議員(カリフォルニア州)とともに「グレート・アメリカンAI法案」を提出した民主党のロリ・トラハン下院議員(マサチューセッツ州)も、参加者に向けて演説した。会場では、AIの急速な発展を抑えることに特に強く取り組む人々の一角である、シリコンバレーの効果的利他主義者(EA)の陣営が多数を占めていた。
未来生命研究所の共同創設者であるマックス・テグマーク氏は、中国とAIを巡っては、バノン氏よりもサンダース氏に近い見解を示した。
スウェーデン系米国人の物理学者であるテグマーク氏はエポックタイムズに対し、「実際のところ、人々は国際協力について悲観的になりすぎている」との考えを示した。
同氏は、中共と米国の指導者には、それぞれの政府が超知能AIによって打倒される事態を避けるという共通の動機があると述べた。
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