高市早苗首相は9月14日、自身の公式X(旧ツイッター)を更新し、高市内閣が掲げる「強い経済」の実現に向けた決意を表明した。日本経済の再生と成長戦略の加速には、金融・資本市場を通じた「金融の力」が不可欠だとして、制度整備を重視する姿勢を示した。
成長戦略を制度面から支えるのが、7月15日に成立し、同月23日に公布された「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」である
改正法は、成長資金の供給拡大と市場の公正性、透明性、投資者保護の両立を目指す。暗号資産規制の見直し、企業のサステナビリティ情報の開示・保証、スタートアップの資金調達円滑化、不公正取引規制の強化が柱となる。
暗号資産を金商法の規制対象に
改正法では、暗号資産に関する規制を、決済手段を規律する資金決済法から、投資家保護を目的とする金融商品取引法へ移す。暗号資産が決済手段の枠を超え、国内外で投資対象となっている実態を反映した。
資金決済法は、プリペイドカードやステーブルコインなどの決済・支払手段を引き続き対象とする。暗号資産は改正後、有価証券とは別の金融商品として金商法上に位置付けられる。
投資対象としての性質に応じた規制を適用することで、イノベーションへの影響に配慮しながら、金融商品としての利用者保護を強化する。
サステナビリティ情報の開示を義務化
東京証券取引所(東証)の最上位区分である「プライム市場」に株式を上場しているプライム市場上場企業には、サステナビリティ開示基準に基づく情報を開示し、その内容について第三者保証を受けることを義務付ける。
企業の経営状態を示す有価証券報告書では、サステナビリティに関する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」の4分野に基づく情報開示を求める。指標及び目標には、温室効果ガス排出量などが含まれる。
第三者保証を提供する事業者には登録制と業務規制を導入し、監査法人以外の事業者による保証も可能とし、同時に企業によるサステナビリティ情報の比較可能性と信頼性を高め、投資家がより信頼性の高い情報に基づいて投資判断できる環境を整える。
届出免除、5億円未満に拡大
スタートアップの資金調達を円滑にするため、時間や費用の負担が大きい有価証券届出書の提出が免除される資金調達額の基準を、現行の1億円未満から5億円未満へ引き上げる。
金融の専門知識や豊富な資金を持つプロ投資家向けの資金調達では、勧誘できる対象の範囲も広げる。プロ投資家への移行手続きを終えていない場合でも、高い分析能力を持つと認められる投資家には、簡易な情報提供によるプロ向け勧誘を可能にする。
仲介する証券会社には、投資家の知識や経験、資産状況などに適した勧誘を求める適合性原則などの行為規制を引き続き適用し、投資家保護を図る。
インサイダー取引規制を強化
不公正取引への対応では、違反行為として捕捉できない事例等が発生したことを踏まえ、インサイダー取引規制の対象者の範囲を拡大する
課徴金による違反行為の抑止が不十分な事例が発生していることを踏まえ、課徴金制度の見直しを行う。また、調査協力が得られない事例等が発生していることを踏まえ、調査権限等の拡充を行う。
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