8月24日、米連邦最高裁は6対3で、トランプ米大統領が中間選挙を前に進める郵便投票規制をめぐり、行政命令の実施を阻んでいた下級審の差し止めを停止した。
米郵政公社(USPS)と司法省は最高裁の判断を受け、修正した郵便投票の規制措置を直ちに実施する方針を示した。
行政命令では、国土安全保障省が保有する市民権情報をもとに、郵便投票用紙の送付対象を確認する仕組みを設け、投票資格のない人に投票用紙が送られるのを防ぐ。
最高裁は、行政命令に異議を唱えた23州について、実施を阻んでいた下級審の差し止めを停止した。トランプ政権にとって有利な判断となった。
トランプ政権はこれまで、郵便投票は不正や票の改ざんにつながる恐れがあるとして、その広範な利用に反対してきた。
トランプ氏の行政命令は「アメリカの選挙の公正性を維持し、守る」ことを目的としている。連邦政府機関に対し、市民権を確認するための州別名簿を作成するよう指示するとともに、米郵政公社には、確認済みの名簿に基づいて郵便投票用紙を取り扱うよう求めている。
行政命令は、「合衆国法典第18編第1015条、第611条など複数の連邦法は、外国人が有権者登録をしたり、連邦選挙で投票したりすることを禁じている。しかし、各州は有権者の市民権を十分に確認しておらず、近年、司法省もこれらの規定の執行を優先せず、十分な人員や予算を充ててこなかった」としている。
批判する側は、この行政命令について、連邦政府による州の選挙運営への介入だと主張している。
これに対し最高裁は、行政命令が義務を課しているのは連邦政府機関であり、州に新たな義務を負わせるものではないとの判断を示した。
最高裁は「行政命令は国土安全保障長官に対し、適切な措置を講じて州別の市民名簿を作成し、各州に提供するよう指示している。これは大統領から連邦政府内への指示であり、州に何ら義務を課すものではない。そのため、州には具体的な損害が生じておらず、原告適格も認められない」とした。
ただ、最高裁は今回、行政命令そのものが合法かどうかを判断したわけではない。判断の対象は、行政命令の実施を阻んでいた差し止めに限られる。今後も行政命令をめぐって新たな訴訟が起きる可能性は残っている。
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