高市早苗首相は8月21日、X(旧Twitter)への投稿で、自身を巡る中傷動画や暗号資産に関する疑惑を否定した。30年以上にわたる政治活動で他候補を非難せず、自らの政策を訴えてきたと説明し、政治家としての信条を強調した。
高市首相は、マーガレット・サッチャー元英国首相の「好かれることを目的にしたら、取るべき決断が取れなくなる」との言葉を引用した。一方、『論語』の「民、信無くんば立たず」にも触れ、政策を進める上では国民の信頼が不可欠であるとの考えを示した。
中傷動画への関与を否定
高市氏は、他候補を中傷する動画の作成を秘書が依頼したとの疑惑について、自身や陣営の関与を否定した。
30年以上にわたる衆議院議員としての活動や、3回の自民党総裁選を通じ、他候補を非難せず、自らの政策を訴える姿勢を貫いてきたと説明した。他者への中傷は自身の「政治家としての矜持」に反するため、第三者に動画の作成を依頼することはないと主張した。
動画作成者とされる人物はネット番組で、高市氏の秘書からの依頼について「依頼という形ではない」と発言した。高市氏は、この発言も自身の説明を裏付ける材料として示した。
ただし、「依頼という形ではない」との発言だけでは、動画が作成された詳しい経緯や、関係者間にどのようなやり取りがあったのかまでは明らかになっていない。
「サナエトークン」は無関係と説明
高市氏は、自身の名前や肖像を使った暗号資産「サナエトークン」についても、本人や事務所が発行や取引を承認した事実はないと説明した。
高市氏によると、3月2日に官邸秘書官から報告を受けるまで、トークンの存在を知らなかった。報告を受けた当日、自身とは無関係であるとしてXで注意を呼びかけた。
発行者のホームページには、高市氏と提携したものでも、本人から承認を受けたものでもないとの免責事項が掲載されていた。肖像などを参照していても、本人による直接の承認を意味するものではなく、高市氏との類似性や関連性は「まったくの偶然」で、「ユーモアの目的」で意図されたものだとしていた。
政策推進には信頼が必要
高市氏は、自身が把握している事実を国会答弁やSNSを通じて説明してきたとの立場を示した。今回の投稿でも、自身の政治姿勢や動画作成者の発言、トークン発行者側の記載を挙げ、二つの疑惑への関与を改めて否定した。
その上で、自民党総裁選で掲げた公約や政権公約を実現するためには、国民との信頼関係が欠かせないとの認識を示した。サッチャー氏の言葉を引いて、必要な政策を決断する姿勢を強調するとともに、国民の信頼を政策推進の基盤に位置付けた。
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