内閣府と財務省が公表した令和8年7~9月期の法人企業景気予測調査によると、自社の景況判断を示す景況判断BSIは、全産業の大企業で5.3%ポイントとなり、令和8年1~3月期以来、2期ぶりの「上昇」超となった。一方、中小企業はマイナス10.9%ポイントと大幅な「下降」超が続き、企業規模による景況感の差が鮮明となった。
国内の景況判断BSIも、大企業は2.9%ポイントとプラス圏を回復した。大企業を中心に景況感が持ち直す一方、コスト上昇や人手不足に直面する中小企業には回復が十分に波及していない状況である。
大企業は改善、中小企業は「下降」超続く
7~9月期の景況判断BSIは、大企業が5.3%ポイント、中堅企業が0.8%ポイント、中小企業がマイナス10.9%ポイントだった。
10~12月期の見通しは、大企業が6.0%ポイント、中堅企業が5.0%ポイントと、いずれも「上昇」超を見込む。中小企業はマイナス2.8%ポイントまで改善するものの、引き続き「下降」超となる見通しである。
令和9年1~3月期は、大企業が4.6%ポイント、中堅企業が2.7%ポイントとなる一方、中小企業はマイナス6.4%ポイントと、再びマイナス幅が拡大する見込みである。
生産用機械や情報通信機械がけん引
大企業の業種別景況判断では、製造業の生産用機械器具が23.4%ポイント、情報通信機械器具が19.9%ポイントとなった。非製造業では、サービス業が7.6%ポイント、金融・保険業が3.4%ポイントだった。
一方、石油・石炭製品はマイナス14.3%ポイント、食料品はマイナス6.3%ポイントとなった。非製造業でも、鉱業がマイナス12.5%ポイント、電気・ガス・水道業がマイナス4.7%ポイントとなり、業種によって景況感に差が出た。
売上高4.1%増、経常利益2.3%増を予想
令和8年度通期の全産業の収益見通しは、売上高が前年度比4.1%増、経常利益が2.3%増となった。
製造業は売上高が5.7%増、経常利益が5.8%増となる見通しである。これに対し、非製造業は売上高が3.5%増となるものの、経常利益は1.0%増にとどまる。
売上高では、非鉄金属が18.3%増、自動車が5.6%増、小売業が3.8%増となる一方、鉱業は3.4%減を見込む。
経常利益では、情報通信機械器具が29.8%増、化学工業が6.7%増、サービス業と金融・保険業がそれぞれ5.8%増となった。一方、その他の輸送用機械器具は20.4%減、運輸・郵便業は16.3%減、はん用機械は9.5%減、卸売業は2.3%減となる見通しである。
設備投資は11.0%増を計画
令和8年度の設備投資額は、ソフトウェア投資を含め、全産業で前年度比11.0%増となる見込みである。
設備判断BSIは、大企業が4.4%ポイント、中堅企業が5.8%ポイント、中小企業が9.7%ポイントとなり、全ての企業規模で設備の「不足」超となった
投資対象では、大企業と中堅企業がソフトウェアを最も重視した。大企業は生産・販売用機械、工具・器具・備品、中堅企業は工具・器具・備品、情報機器が続いた。中小企業では工具・器具・備品が首位となり、ソフトウェア、情報機器の順だった。
人手不足、61期連続
従業員数判断BSIは、大企業で26.7%ポイントとなり、平成23年9月末以降、61期連続の「不足気味」超となった。
人手不足による経営への影響について、大企業では「業務負担・勤務時間の増加」が62.8%で最も多く、「賃上げによる人件費上昇」が41.7%、「採用コストの増加」が41.5%と続いた。
中堅企業でも「業務負担・勤務時間の増加」が58.5%で最多となった。次いで「採用コストの増加」が40.3%、「賃上げによる人件費上昇」が39.5%だった。
中小企業では「賃上げによる人件費上昇」が47.1%で最も多かった。「業務負担・勤務時間の増加」が42.9%、「技術伝承・育成の停滞」が30.8%となり、人手不足が人件費や事業運営に影響している実態が示された。
次回調査は12月10日に公表される予定である。
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