石油の大動脈 ホルムズ海峡に転機 米財務長官「重要性失う」

2026/08/10
更新: 2026/08/10

ベッセント米財務長官は8月6日、ホルムズ海峡について「戦前の状態に戻ることはない」との見方を示した。今後2年で同海峡の戦略的重要性は大きく低下すると予測している。

ベッセント氏は「12 News」のインタビューで、世界の海上石油輸送の約5分の1を担うホルムズ海峡について、エネルギー輸送の主力が地下パイプラインへ移ることで、重要性が次第に薄れていくとの見通しを示した。

「この海峡が以前の状態に戻ることはない。イランがここを戦略的な要衝として利用した、あるいは利用しようとしたからだ」

さらに、「今後2年で、この海峡は重要性を失い、単なる海域の一つになるだろう」と語った。

現在ホルムズ海峡を通過しているエネルギーについても、「50%以上、場合によっては70%が、将来的には地下パイプラインで運ばれるようになる」と予測した。

イランに核武器を断念させるため、アメリカとイスラエルは2月末からイランに対する共同軍事作戦を開始した。

これに対し、イランはホルムズ海峡の封鎖を警告し、航行する船舶に発砲。海上輸送は一時停滞する事態となった。

トランプ米大統領は、イランが世界の石油供給を遮断しようとしていると非難し、世界を人質に取ることは決して許さないとの姿勢を示している。

石油輸送の停滞を受け、中東各国ではホルムズ海峡を経由しない代替ルートの整備が進み始めた。

アラブ首長国連邦(UAE)は現在、オマーン湾に面するフジャイラ港へ通じる第2の石油パイプラインを建設中だ。完成すれば、ホルムズ海峡を迂回する石油輸出能力は現在の2倍に拡大する見通しとなっている。

ロイターは先月、関係者の話として、サウジアラビアが紅海へ通じる石油パイプラインの拡張を検討していると報じた。計画では、輸送能力を1日当たり200万バレル増やす方向だ。

また7月17日には、イラクとシリアが、石油輸送パイプラインの修復・再建に関する協定に署名した。ホルムズ海峡を迂回する新たな輸送ルートの確保につなげる狙いがある。

米エネルギー情報局(EIA)によると、このパイプラインはイラク北部のキルクークからシリアの地中海沿岸まで延び、輸送能力は1日当たり70万バレル。

ただ、2003年のイラク戦争で損傷して以降、稼働を停止した状態が続いている。

張婷