米連邦公開記録によると、2025年、中共政府機関や官製メディア、中国・香港関連企業が米国内で申告した支出は、合わせて1億ドルを超えた。資金は主に、中共官製メディアのアメリカでの運営やロビー活動、貿易促進などに充てられていた。
Foxニュースが7月26日に報じたところによると、外国政府などの代理として米国内で活動する団体や個人に登録と情報開示を義務付ける「外国代理人登録法」(FARA)の文書では、中国政府に関連する資金を原資とした支出は約8千万ドルに上った。
中国・香港の民間組織や企業によるFARA関連支出も2千万ドルを超えた。このほか、企業がロビー活動開示法に基づき、米議会に数百万ドル規模のロビー活動費を申告していた。
Foxニュースは、これらの数字は登録され、公開された活動のみを反映したものであり、中共による米国内での影響力活動の全体像を示すものではないと強調した。
中共官製メディアが最大の割合
中共政府に関連する支出のうち、最も大きな割合を占めたのは、官製メディアのアメリカでの運営費だった。
Foxニュースが米司法省の文書を調べたところ、2025年2月から11月までに、中共中央テレビは、中共国際テレビ(CGTN)のアメリカ部門「CGTN America」に6680万ドルを提供していた。
このほか、新華社北米支局は2025年に約729万ドル、チャイナ・デイリー・ディストリビューション・コーポレーションは約389万ドルの支出を申告した。
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、CGTN Americaは2019年、米司法省の要請を受け、外国代理人として登録した。
同組織は当時、政治活動や中共政府との関係をめぐる米国側の主張には同意しないとしながらも、慎重を期し、規制当局に協力するため登録を行ったと説明していた。
米政府や一部の研究機関は、中共官製メディアについて、ニュース報道だけでなく、対外宣伝や中国のイメージ形成、海外世論への働きかけも担っているとみている。
中国企業、米政府へのロビー活動に多額投入
中共官製メディアだけでなく、中国企業もワシントンで多額の資金を投じ、米政府や議会へのロビー活動を行っていた。
対象となった企業には、ファーウェ)、海康威視数字技術(ハイクビジョン)、京東方科技集団のアメリカ法人BOE Technology America、長江存儲科技(YMTC)、晶科能源(ジンコソーラー)などが含まれる。
このうち、テンセントが2025年以降に申告したロビー活動費は、累計1千万ドルを超えた。米国防総省は以前、テンセントを「中国軍事企業」リストに追加した。
米政府は、ハイクビジョンの監視機器が新疆ウイグル自治区の人権問題に関与しているとして、政府調達や輸出、投資を制限している。
Foxニュースによると、同社はこうした制限の解除を働きかけるため、アメリカのロビイストに数百万ドルを支払っていた。
アメリカでは、企業が自社の利益を目的にロビー活動を行うこと自体は違法ではない。通常の商業ロビー活動はロビー活動開示法に基づいて申告する。
一方、外国政府や政治組織を代表し、政策や政治、世論に関わる活動を行う場合は、より厳格な情報開示を求めるFARAに基づく登録が必要となる可能性がある。
貿易促進活動を通じた関係網の構築か
中共国際貿易促進委員会などの機関も、米国内での活動を定期的に申告している。
活動内容には、米中両国の企業や商工会議所、業界団体との連絡や、二国間の貿易、投資、経済協力の促進などが含まれる。
Foxニュースは、米シンクタンクのジェームズタウン財団の研究を引用し、同委員会には二重の役割がある可能性を指摘した。
表向きは経済・貿易交流を促進しながら、米政府関係者や経済界と接触し、中共のより広範な経済・外交目標に向けた関係網を築いている可能性があるという。
公開記録で把握できるのは一部
アメリカのFARA登録資料や議会のロビー活動文書で確認できるのは、登録された活動に限られる。
アメリカの大学などにある中国人留学生や研究者の団体「中国学生学者聯誼会」(CSSA)や、中共中央統一戦線工作部と関係があると指摘される一部の団体やネットワークは、こうした公開記録には通常含まれないという。
長期的な累計額については、統計期間や分類方法が異なるため、機関ごとに数字に差がある。
クインシー研究所が、米政治資金調査団体オープンシークレッツの資料を基にまとめたところ、2016年以降の中国関連のFARA支出は4億1800万ドルを超えた。大半は中共中央テレビとチャイナ・デイリーに流れたという。
一方、別の新しい集計では、累計額は約5億6千万ドルと見積もられている。
米国務省は2023年、中共が世界各地で対外的な情報操作に毎年「数十億ドル」を費やしていると推計した。ただし、公開資料で確認できるのは登録・申告された活動に限られ、実際の影響力活動の規模は明らかになっていない。
トム・コットン上院議員らは、一部の中国関連組織が、開示要件の緩いロビー活動開示法を利用し、より厳格なFARA登録を回避している可能性があると問題視している。
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