中国では今、犬への残虐な虐待事件が相次ぎ、社会に大きな衝撃が広がっている。
広東省では先月、4人の少年が授乳中の野良犬を木の棒で何度も殴りつけ、ガソリンをかけて生きたまま焼き殺した。生後間もない子犬3匹も容赦なく殴り殺され、その様子を少年ら自身が撮影してインターネットに投稿。さらに山西省では、2匹の犬が生きたまま広範囲の皮膚を剝がされる事件も起き、懸命な治療も及ばず命を落とした。うち1匹は生後20日ほどの子犬だった。
相次ぐ事件に、中国のSNSには「動物虐待を厳しく処罰する法律を作るべきだ」「次は人間が犠牲になるかもしれない」といった怒りの声があふれた。海外でも抗議活動や署名運動が広がり、動物虐待を禁じる法律の制定を求める声は国内外でかつてなく高まっている。
しかし一方で、中国国内では事件を取り上げた投稿や著名人の発信が次々と削除され、抗議活動を呼びかけた人のもとには警察から連絡や警告が入るなど、当局は問題そのものよりも、批判の広がりを抑え込む姿勢を強めている。
そんな中、中国国営テレビ(CCTV)は、保護犬の救助活動を装って寄付金をだまし取っていた詐欺事件を大々的に報じた。
報道によると、詐欺グループは病気や高齢の野良犬を集め、十分な餌を与えず衰弱した姿を撮影。「保護施設が餌不足に陥っている」と偽ってライブ配信で寄付を募り、約1500人から約5千万円をだまし取っていた。集めたお金のうち、実際に犬の保護に使われたのは、わずか0.1%程度だったという。
犬虐待事件への怒りや動物保護法の制定を求める声が高まる中での今回の報道について、専門家は「世論を別の方向へ誘導する狙いではないか」と指摘。ネット上でも「本当に向き合うべきなのは残虐な犬虐待事件だ」といった批判が広がっている。

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