もし近所の公園に数千匹もの毒ヘビが放たれたら?
そんな背筋が凍るような動画が中国で拡散した。袋いっぱいのヘビを次々と草むらや小川へ放つ様子が映っており、「成都の青龍湖湿地公園で行われた」との情報がSNSで広がった。
ネット上では「子供を外で遊ばせられない」「散歩も怖い」と不安の声が相次いだ。
一連の情報拡散を受け、成都市当局は7月16日、「青龍湖公園では大量のヘビを放す行為は確認されなかった」と発表し、ネット上の情報をデマと否定した。しかし、中国では当局が不都合な情報を「デマ」と否定した後に事実と判明した例も少なくなく、今回の説明をそのまま信じる声は多くない。
問題となっているのは、中国で一部の人たちが行う「放生(ほうじょう)」だ。本来は捕らえられた動物を自然に返し、命を救う善行とされる。
しかし近年は、動物を大量に購入して野外へ放す「放生ビジネス」が広がり、生態系への影響だけでなく、住民の安全を脅かす行為として批判を集めている。
しかも、大量の毒ヘビを野外に放す「放生」は今回が初めてではない。近年も、中国各地で住宅地近くの山林や草地に大量の毒ヘビを放したとする動画や告発が相次ぎ、住民の間に不安が広がってきた。
動画をどこで撮影し、実際に何匹のヘビが放たれたのかは、現在も明らかになっていない。しかし、「命を救う善行」の名の下で人の命や暮らしが脅かされるようでは本末転倒だ。善意で始まったはずの放生が、人々に恐怖を与えることに変わってしまったことこそ、この騒動が突きつけた最大の問題といえる。
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