7月15日の労働党党首選の立候補締め切りまでに、届け出たのは前グレーター・マンチェスター市長のアンディ・バーナム氏だけだった。バーナム氏はすでに労働党議員349人から推薦を受けており、党首就任は確実となった。これにより、同氏はイギリスの次期首相となる見通しだ。
これまで労働党党首選への出馬を検討していた人物はいずれも、立候補を届け出なかった。今回の党首選でバーナム氏に対立候補はおらず、無投票で選ばれる見通しとなった。同氏は17日に開かれる労働党大会で党首に就任し、来週月曜日の7月20日には英首相に就くとみられる。
バーナム氏は数週間前、メイカーフィールド選挙区の補欠選挙で当選したばかりだった。今回の動きは、同氏が急速に政権中枢へ近づいたことを示している。
バーナム氏は声明で、自身を党首候補に推薦した労働党議員に「深く感謝している」と述べた。支持は党内の幅広い勢力から得たものであり、「イギリスには新たな政治手法が必要だという共通の信念」を反映しているとした。
バーナム氏は、「私が示すのは、閉塞感を打ち破るための転換点だ。権限をウェストミンスター(ロンドン中心部)から地方へ移し、一般の人々のために経済を立て直し、あらゆる地域で持続的な成長を実現する」と述べた。
一方で、バーナム氏が無投票で党首に就く可能性が高まったことで、労働党内からは、同氏に対し、政権を担った場合にどのような政策を進めるのか、より詳しく説明するよう求める声も出ている。
バーナム氏は2017年に下院を離れたため、それ以降に当選し、現在の労働党下院議員の主力となっている議員たちと人脈を築く機会は限られていた。
イスラエル問題をめぐる波紋
7月10日、バーナム氏は、2023年のイスラエルによるガザでの軍事作戦に対する労働党の初期対応について謝罪した。同氏は、党の対応は「適切ではなかった」と述べ、自身の指導下では対応を改める必要があるとの考えを示した。バーナム氏は実際、2023年10月下旬にイスラエルにガザでの停戦を強く求めた、労働党の有力者の一人でもあった。
この最新の発言は、労働党内の左派議員から歓迎された。その中には、ジェレミー・コービン元党首を支持する「社会主義キャンペーン・グループ」のメンバーも含まれる。
一方、「保守党イスラエル友好議員連盟」の議会議長を務めるグレッグ・スミス氏は、バーナム氏はこの種の反イスラエルと受け取られる発言が、反ユダヤ主義をあおる可能性があることを自覚すべきだと述べた。
スミス氏は、「首相として求められるのは、国益を踏まえ、冷静かつバランスの取れた判断を下すことだ。イスラエル問題を党内左派への踏み絵のように利用することは、新しい労働党党首にとって誤った、危険な出発点になる。イスラエルは長年にわたる信頼できる同盟国であり、政府は両国関係をさらに損なうようなアピール目的の措置を避けるべきだ」と語った。
バーナム氏は労働党内では左派に属する。同氏が下院に復帰したことは、労働党左派を勢いづかせている。
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