中国 1年以上未払い 新番組も資金難で中止

出演したのに報酬ゼロ 中国で歌手10人超が一斉告発

2026/07/11
更新: 2026/07/11

番組に出演したのに、ギャラが支払われない。中国で音楽バラエティ番組に出演した歌手10人以上が、ディレクターによる報酬未払いを相次いで告発した。1年以上支払いを待たされた人もおり、複数の出演者が法的手続きに動いている。

発端は7月9日、歌手の趙品霖が、音楽番組「百分百歌手」のディレクター「羊羊羊」(本名・熊志豪)をSNSで名指ししたことだった。

趙氏によると、番組に3シーズン出演したものの、十数万元(数百万円)の報酬が支払われていない。往復の航空券やホテル代、ヘアメイク代も自己負担し、知人がディレクターに貸した金も返されていないという。

告発後、陸翊、左其鉑、王靖雯ら10人以上の歌手が、同様の被害を公表した。多くは中堅や若手の芸能人で、数か月から1年以上にわたり非公開で支払いを求めたが解決せず、やむなく告発に踏み切った。中にはスタッフの給料を自腹で立て替えた人もいたという。

ディレクター側は「資金繰りが苦しい」「新番組の収益が入れば古い未払い分を清算する」などと説明していた。しかし、その新番組も資金不足で制作が止まり、未払いだけが残ったという。

このディレクターは以前、番組制作などで3千万元(約7億円超)の負債を抱えていると自ら明かしていた。出演者側は、巨額の借金がある状態で新たな番組を立ち上げたこと自体に問題があると批判している。

別のバラエティ番組「開放営業中」でも、収録途中で資金が尽きて制作が中止され、収録を終えた出演者にも報酬は支払われていない。

今回の騒動は、中国芸能界で長年続く「収録を先に行い、報酬は後払い」という慣行の危うさを浮き彫りにした。制作会社の資金が行き詰まれば、出演者やスタッフが働いた対価を受け取れないままになる実態に、業界への不信感が広がっている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!