米メディアはこのほど、米司法省が、中国共産党(中共)との関係が指摘されるテック実業家ネビル・ロイ・シンガム氏をめぐり、連邦大陪審を通じた捜査に着手したと報じた。捜査の焦点は、同氏が中国からアメリカや国際的な左派系非営利組織に資金を移す過程で、マネーロンダリングやその他の金融犯罪に関与した疑いがあるかどうかに置かれている。
Foxニュースによると、ニューヨーク南部地区連邦地裁で大陪審の手続きが始まった。捜査では、マルクス主義に近い思想を持つとされるこのテック富豪と、その背後にある非営利組織ネットワークが、重大な財務上の不正に関与していたかどうかを調べている。過去10年間に、シンガム氏はこの大規模なネットワークに最大2億7800万ドルを投じたとされる。
複数の情報によれば、シンガム氏は親ハマス系の複数の団体を支援したほか、さまざまな極左系団体にも多額の資金を提供していたという。
「シンガム・ネットワーク」と呼ばれるこの仕組みは、非営利組織、資金の仲介役となる団体、左派系メディアなどで構成されている。シンガム氏はこのネットワークを通じ、アメリカ国内の左派団体「コード・ピンク」(Code Pink)や「ピープルズ・フォーラム」(The People’s Forum)などと深い関係を築いてきた。
シンガム氏は長年、上海を拠点とし、公の場に姿を見せることは少なかった。同氏の活動は、ニューヨーク・タイムズの調査報道をきっかけに広く知られるようになった。同報道は、シンガム氏が海外で中共当局寄りの宣伝活動を資金面で支えていた疑いを詳しく伝えた。
調査によると、同氏はアメリカ国内の多数の非営利組織やペーパーカンパニーを介し、表向きには極左社会主義運動の支援者として活動していた。一方で、中共国営メディアと密接に連携していたとされる。
シンガム氏の資金力は、関係団体の政治的立場にも影響を及ぼした。2017年、同氏は「コード・ピンク」の創設者ジョディ・エバンス氏と結婚した。結婚前、エバンス氏は中国の人権状況を公然と批判していた。しかし結婚後、同団体の対中姿勢は大きく変化し、中共当局の主張に沿う発信が目立つようになった。同団体は、アメリカが「対中戦争」を仕掛けていると非難し、香港の民主化運動の参加者を激しく批判するようになった。
米下院監督・政府改革委員会の報告書によると、少なくとも19の米左派団体がシンガム氏と関係している。そこには「コード・ピンク」のほか、社会主義解放党、ピープルズ・フォーラム、東昇ニュース、ブレイクスルー・ニュース、国際人民会議、コミュニティ・ユナイテッド基金、全米正義を求めるパレスチナ学生団体、パレスチナ青年運動などが含まれる。
米国務省のサラ・B・ロジャース次官は、こうした動きについて「『コード・ピンク』や『ピープルズ・フォーラム』のような団体はアメリカを中傷し、マルクス主義政権による暴力を覆い隠し、特定の国家を擁護している。しかも、中共とつながりのある寄付者ネットワークから巨額の資金を受け取っている」と非難した。
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