両国大統領が署名 米イラン合意が正式発効

2026/06/19
更新: 2026/06/19

6月17日、トランプ米大統領とイランのペゼシュキアン大統領は、それぞれ「米・イラン了解覚書」に署名した。

イラン外務省のバガエイ報道官は、双方がすでに電子署名で覚書への署名を済ませており、スイスで正式な署名式は行わないと説明した。ただし、双方の交渉代表団がジュネーブを訪問する計画は、予定通り進められるという。

同日、ホワイトハウスのダン・スカビーノ副首席補佐官は、Xに動画を投稿した。映像には、トランプ氏がフランスのマクロン大統領主催のベルサイユ宮殿での晩餐会で、イランとの「了解覚書」に署名する様子が映っている。

スカビーノ氏によると、ルビオ米国務長官が文書をトランプ氏に届け、署名が行われた。これにより、同合意は正式に発効したという。

映像では、トランプ氏が出席者の前で文書に署名し、その後、会場から拍手が送られる様子が確認できる。

この合意は、米イラン間の外交交渉における重要な節目とみられている。双方はこれに先立ち、オンライン上で合意内容を承認しており、今回の署名で正式な発効手続きが完了した。

ホワイトハウスが米イラン覚書を公表 核交渉の枠組み明らかに

ホワイトハウスは17日、「米国・イラン了解覚書」の全文を正式に公表した。文書は全14項目からなり、今後の核交渉や地域安全保障をめぐる協議の枠組みを示している。

最大の焦点である核問題については、イランが核兵器を開発しない方針を改めて確認した。米イラン双方は、核問題を優先的な交渉事項とし、今後の最終合意に向けた枠組みを設けることでも一致した。

覚書の第8条から第14条は、主に中東地域における米軍の活動制限や、イラン核計画をめぐる今後の継続協議に関する内容となっている。

以前流出した草案と比べ、正式に公表された文書には一部の技術的な詳細が追加された。第10条では、イランが保有する既存の濃縮核物質について、国際原子力機関(IAEA)の監督下で、現地で希釈処理するとしている。

第11条では、核問題の移行期間における、双方が現状を維持する「凍結対凍結」の仕組みが示された。これにより、イランは現行の核計画の規模を維持し、さらなる拡大を行わない。一方、米国は新たな制裁を科さず、中東地域への兵力増派も見送る。

覚書の最後では、合意の履行状況を追跡するための合同監督メカニズムの設置が盛り込まれている。将来の最終合意の長期的な履行を担保する狙いがある。

文書によると、停戦、航行の安全、制裁免除、資金凍結の解除など、重要条項の履行が始まった後、米イラン双方は最終合意に向けた交渉をさらに進める。

トランプ氏は「イランのミサイル保有は容認、核保有は認めず」と述べた。

トランプ米大統領は、フランスで開かれたG7サミットへの出席中、イランのミサイル保有について見解を示した。記者団に対し、イランが弾道ミサイルを保有することについて、中東の他国と同程度の規模であれば問題視しないと述べた。そのうえで、通常兵器としてのミサイル能力と、核兵器の保有を目指す動きは別問題であり、両者は区別して考えるべきだと強調した。

トランプ氏は、サウジアラビアやカタールなどの湾岸諸国が一定規模のミサイルを保有しているのであれば、イランにミサイル保有を全面的に禁じるのは公平ではないとの考えを示した。

さらに、弾道ミサイルは、国際社会が核兵器問題で懸念する脅威とは性質が異なると指摘した。周辺国が同様の兵器を保有している以上、周辺国との均衡を大きく崩さない範囲で、イランが一定のミサイル能力を維持することは容認できるとの認識を示した。