仏百貨店 SHEIN出店は「戦略的ミス」 パリの旗艦店を赤字売却

2026/06/17
更新: 2026/06/17

フランスのメディアは6月16日、パリの老舗百貨店「BHV(ベー・アッシュ・ヴェー)マレ」が、中国発のファストファッション大手EC、SHEIN(シーイン)との提携関係を解消すると報じた。BHVへのSHEIN出店を巡っては、数か月前から激しい論争が巻き起こっていた。

パリのBHVを傘下に持つフランスの百貨店グループSGM(ソシエテ・デ・グランマガザン、商業不動産開発)が同日、同店舗の売却を発表。これに続き、BHV側がSHEINとの提携解消を明らかにした。

物議を醸した「実店舗」の開設とラブドール問題

SHEINは昨年11月、BHVの旗艦店内に初となる常設の実店舗を開設した。しかし、同社の超ファストファッションというビジネスモデルや環境への悪影響に加え、オンラインサイト上で「子供の姿を模したラブドールを販売していたことが発覚し、公衆から猛烈な抗議を浴びていた。

SGMグループは同店舗を赤字で売却。売却先は、近く退任予定のSGM最高経営責任者(CEO)カール=ステファン・コタンダン氏を含む経営陣のグループであるという。双方ともにAFPの取材に対し、この事実を確認した。

今回の取引完了後にSGMのCEOを退任するコタンダン氏は、SHEINのBHV出店を認めた当時の決定について「戦略的ミスだった」と言明。「理想的なシナリオ」として、クリスマスまでにSHEINを同百貨店から撤退させる意向を示した。

なお、パリ西部に位置する別のBHV店舗も新たな経営陣に引き継がれるが、SGMは残る7店舗の支配権を維持する。この7店舗のうち5店舗には、今年に入りSHEINが導入されていた。

SGMのメルラン社長は、パリ以外の店舗におけるSHEINとの契約義務について、「長期的な」評価・検証を行う間は引き続き「履行される」と述べている。

相次ぐ批判とフランス当局による巨額罰金

2012年に中国で設立され、現在はシンガポールに本社を置くSHEINは、サプライヤーの労働環境や、ウルトラ・ファストファッションが環境に与える負荷を巡り、多くの国で厳しい批判にさらされてきた。

特に昨年11月には、SHEINのウェブサイト上で子供を模したラブドールが販売されているとしてフランス当局が非難した。同社への監視の目は一段と厳しくなっていた。

この問題が大きな波紋を広げた際、SHEIN側は、当該製品を第三者が販売する「マーケットプレイス」から即座に削除したと説明。さらに、同社プラットフォーム上でのラブドールの販売を世界規模で禁止すると発表していた。

BHVマレにSHEINが出店して以降、同百貨店からは約100のブランドが撤退している。経営陣によると、撤退の理由はSHEINに対するものか、ITシステムに関連する未払い金の問題のいずれかだという。

また、今月上旬、フランス当局は製品の追跡可能性や環境負荷に関する表示、配送遅延などの問題を理由に、SHEINに対して計2200万ユーロ(約37億円)を超える2件の罰金を科すと発表した。

今回の処分を合わせると、フランス当局がこのアジアのファッション巨頭に対して科した罰金の総額は、2億1千万ユーロ(約350億円)を超えている。

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