中国の個人消費が3年ぶり減少 内需低迷で景気下振れ懸念

2026/06/17
更新: 2026/06/17

6月16日、中国共産党(中共)国家統計局は5月の経済統計を発表した。このうち、個人消費の動向を示す「社会消費品小売総額」は、前年同月比で3年ぶりに減少した。アナリストらは、中国経済の下振れが今後も続くとの見方を示している。

統計局が発表した最新データによると、5月の社会消費品小売総額は前年同月比0.6%減となり、4月の0.2%増からマイナスに転じた。市場予想の横ばいも下回った。消費動向を測る重要指標である同統計が単月で減少するのは、コロナの影響で前年同月比1.8%減となった2022年12月以来初めてである。

経済学界の研究や公式定義によれば、「社会消費品小売総額」は、経済全体の動きを反映する重要な指標である。主に社会全体のモノの消費動向を示すもので、消費財市場の総規模や地域分布、都市部・農村部の住民および各種団体による商品消費の需要規模とその変化、さらに景気動向を反映するとされている。

同指標の減少は、景気の弱さを示すものと受け止められている。特に自動車販売の分野では、中国乗用車市場情報連席会分会が6月8日に発表した「2026年5月全国乗用車市場分析報告書」によると、5月1日から31日までの全国乗用車市場の小売台数は151万台で、前年同期比22.1%減となった。今年に入ってからの累計小売台数は709万9千台で、前年同期比19.5%減だった。

5月の連休中も内需は依然として弱く、当局による買い替え促進策の効果も次第に薄れている。

オックスフォード・エコノミクスのシニアエコノミスト、シェアナ・ユエ氏は6月16日付の報告書で、「中国の5月のデータは、力強い外需と弱い国内活動との分化をさらに裏づけるものとなった。輸出の伸びと、低迷する物価や弱含む経済活動指標との落差が、いっそう鮮明になっている」と指摘した。

業界では、中国の内需低迷に加え、イランをめぐる軍事衝突による影響や政府支出の縮小により、中国経済の第2四半期の成長率は鈍化するとみられている。

ブルームバーグによると、INGの大中華圏担当チーフエコノミスト、リン・ソン氏は「中国国内の経済活動データの弱さは、第2四半期の成長鈍化を示唆している可能性がある。必要であれば、中国には今年も金融緩和の余地がある」と述べた。

ただし、中共当局が利下げに踏み切るかどうかについて、経済学者らは、その時期は今年末まで先送りされる可能性があり、場合によっては2027年まで待つことになるとの見方を示している。

ANZ銀行グループのエコノミスト、レイモンド・ヨン氏らは、「中国の潜在的な消費の勢いは依然として弱い。家計部門では債務圧縮の動きが続いており、経済を安定させる主な手段として、財政政策への依存が高まる可能性がある」と述べた。

任義