中国 海外との交流に報告求める動き

中国 公務員に広がる「海外の友人と会えない」空気

2026/06/01
更新: 2026/06/01

海外に住む友人と会うだけで、職場への報告を求められる。そんな空気が、中国の公務員社会で強まっているという。

本紙の取材によると、警察、検察、裁判所などの関係者の間で、海外在住者との接触を避ける動きが広がっている。背景には、中国当局が公務員と海外との接触に神経をとがらせていることがある。

中国の司法関係者は本紙に対し、「今年に入ってから、海外の人との接触はリスクとして扱われるようになった」と証言した。海外在住の友人や親族と会う場合、事前報告を求めるケースがあり、場合によっては接触自体を避けるよう指導されることもあるという。

実際に、アメリカから中国へ一時帰国した男性は、公安関係の仕事をしている同級生に連絡したが、何度メッセージを送っても返事が来なかった。後になって別の同級生から、「海外から来た人と会うには内部の確認が必要なので、簡単には会えない」と聞かされたという。

イギリス在住の女性も、中央政府系の機関で働く知人に面会を断られた。知人は普段使っているメッセージアプリを避け、家族の電話を通じて「仕事の関係で会えない」と伝えてきたという。

中国では2023年に「反スパイ法」を改正し、海外との接触に対する警戒をさらに強めた。各地でスパイ通報を呼びかける活動が行われており、「海外と関係があるだけで警戒される空気になった」と話す人もいる。

そのため、公務員の中には、海外から帰国した友人と会う場合でも、人目の多い場所で短時間だけ話すようにしている人もいるという。

オーストラリアから帰国した元税関職員の男性は本紙に対し、「現役の税関職員である元同僚を食事に誘ったが、仕事を理由に断られた。その代わり、人目のある子供の学校前を待ち合わせ場所に指定し、防犯カメラが多い公共の場所で数分間だけの世間話に応じた。相手は『もし誰かに見られても、約束をして会ったのではなく偶然会っただけと説明できる』と話していた」と語った。

かつては気軽に再会できた旧友との食事も、今は人目を避け、偶然を装わなければならない。専門家は、こうした動きは一部の機密部門だけでなく公務員社会全体へ広がり、中国社会が「半閉鎖状態」へ向かっていると指摘する。学校の前での短い立ち話は、その現実を映し出している。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!