東京大学で5月16日に開催されていた学園祭「五月祭」が、爆破予告や講演会場付近での座り込みなどを受け、同日午後に全企画中止となった。年に一度の学園祭は、多くの学生が準備を重ねてきた場だったが、安全確保と現場の混乱を理由に、来場者はキャンパスからの退出を促された。
発端となったのは、保守系学生サークル「右合の衆」が同日に予定していた参政党の神谷宗幣代表と塩入清香参院議員らによる特別講演会である。神谷氏の過去の言動を「差別的」と批判する反対派は、当日、正門前でスタンディング抗議を行った。さらに、講演会場へ続く階段で座り込みが発生し、党関係者との間で揉める場面もあった。これにより、聴衆が会場に入れない状況となり、現場は混乱した。
同日朝には、五月祭の実行委員会や企画団体に対し、「本郷・弥生キャンパスの各所に爆弾を仕掛け、五月祭期間中に爆破する」とする犯行予告メールが届いた。講演会をめぐる混乱に加え、来場者や学生の安全に関わる脅威が生じたことで、主催団体と常任委員会は講演会の中止を決めた。
影響は講演会にとどまらなかった。午後3時前には「五月祭」の全企画中止が決定され、多数の来場者がキャンパスから退出することになった。学生による展示や模擬店、発表など、準備されていた企画は途中で打ち切られた。
登壇を予定していた神谷氏はSNSで、「待機していたが、仕方がない。来ていただいた皆さんには申し訳ない」と投稿した。
大学は本来、多様な意見や立場が表明され、議論される場であり、特定の政治家や団体の主張に対して批判や抗議を行うこと自体は、言論の自由の範囲に含まれる。一方で、爆破予告は安全を脅かす犯罪行為であり、座り込みによって聴衆の入場や催しの進行が妨げられたのであれば、抗議の手法として大きな問題を残している。
右合の衆は5月16日のXアカウントへの投稿に、イベント中止となったことへの謝罪とともに「言論の自由と対話の場を守るという信念のもと、今後も決して萎縮することなく活動を続ける」と記している。
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