外務省が中国の東シナ海での構造物設置に抗議 黄海・南シナ海でも既成事実化を進める中国共産党

2026/04/21
更新: 2026/04/21

中国が東シナ海における日本と中国の地理的等距離線西側で新たな構造物の設置を開始したことが確認され、日本政府は強い抗議を表明した。東シナ海では排他的経済水域(EEZ)や大陸棚の境界が未画定のままで、中国が一方的な開発を進めていることについて、日本政府は「極めて遺憾」としている。

外務省は公式X(旧ツイッター)を通じて抗議の意を示し、外務省アジア大洋州局の金井正彰局長は中国大使館の施勇公使に対し強い抗議を申し入れた。あわせて、日中両国が東シナ海における天然資源開発で協力することを取り決めた「2008年6月合意」の実施に関する交渉を早期に再開するよう強く求めた。

中国の海洋進出を巡っては、最近、黄海(西海)の韓中暫定措置水域(PMZ)およびその周辺でも、韓国との事前協議を経ない構造物の設置が進んでいる。米戦略国際問題研究所(CSIS)の指摘によると、中国は2018年以降、13のブイを設置したほか、魚の養殖を名目とした大型施設や統合管理プラットフォームを建設し、計16の海上構造物を一方的に設置している。

これらのブイの一部には太陽光パネルが搭載されており、韓国の調査船が施設の調査を試みた際には、中国海洋警察がゴムボートや艦艇で妨害行動を取るなど、直接的な対立も生じている。CSISは、こうした動きが大規模な武力衝突を回避しつつ目標を達成する「グレーゾーン戦略」の一環であり、台湾海峡や南シナ海と同様の手法で黄海の「内海化」を図っていると警告している。

南シナ海でも、中国は他国のEEZ内で実効支配を強め、大規模な人工島造成を進めている。2025年9月には、フィリピンのEEZ内に位置するスカボロー礁に独自の「自然保護区」を設定し、自国の管轄権を主張する動きを見せた。

またウォールストリート・ジャーナルによると、ベトナムと領有権を争う西沙(パラセル)諸島の羚羊(アンテロープ)礁では、中国が約10年ぶりに人工島の造成活動を本格的に再開した。CSISの衛星画像分析によると、埋め立て面積は約1490エーカー(約6平方キロメートル)に達しており、同海域で最大規模の人工島となる可能性がある。

建設現場では、滑走路に適した直線的な海岸線やヘリポート、艦艇や潜水艦を収容可能な巨大ラグーン(潟)が確認されている。新たなミサイル施設を含む軍事拠点として利用される懸念が強く、有事の際の前哨基地として機能する恐れもある。これに対し、ベトナム政府は強い抗議を行っており、米国防当局も国際法を無視する行為として警戒を強めている。

東シナ海、黄海、南シナ海で同時多発的に進むこれらの動きは、中国が海洋権益の拡大に用いる「漸進的主権拡張方式(サラミ戦術)」の典型といえる。他国のEEZや境界未画定海域で、民間用や研究用を名目に構造物を設置し、徐々に規模を拡大して軍事化することで既成事実を積み重ねる手法に対し、周辺諸国と国際社会は懸念を強めている。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます