東芝 最適化計算を約100倍高速化 第3世代SBMアルゴリズムを発表

2026/04/08
更新: 2026/04/08

東芝は4月7日、独自の計算技術「シミュレーテッド分岐マシン(SBM)」の性能を大幅に向上させる第3世代アルゴリズムを開発したと発表した。これにより計算速度は従来の約100倍に高速化し、正解を導き出す確率も飛躍的に向上したという。物流や金融、創薬など幅広い分野での社会課題解決への貢献が期待される。

社会には、配送ルートの最適化や投資の組み合わせ、新薬の分子設計など、膨大な選択肢から最適解を導く「組合せ最適化問題」が数多く存在する。問題規模の拡大に伴い選択肢が爆発的に増えるため、従来の計算機では短時間で解くことが困難とされてきた。SBMはこうした複雑な問題の高速解決に特化した計算技術である。

従来の第2世代SBMでは、大規模かつ複雑な問題において「局所最適解」に陥りやすく、限られた計算回数で「大域最適解」に到達することが難しいという課題があった。これに対し東芝は、計算制御の仕組みを拡張し、より複雑な制御を導入した。

その結果、計算過程が規則的な状態から不規則な状態へと移行する境界である「カオスの縁」を活用することで、局所最適解からの脱出が容易になることを確認した。これにより、最適解に到達する成功確率をほぼ100%にまで高めたとしている。

同技術の実用化により、物流・交通分野では最短配送ルートの算出による人手不足の緩和やCO2削減、金融分野ではリスクを抑えた最適な投資ポートフォリオの構築、創薬分野では分子設計の効率化による開発期間短縮などが見込まれる。

東芝は今後、第3世代アルゴリズムを活用して最適化ソリューション「SQBM+ TM」を強化し、効率的で持続可能な社会の実現を目指すとしている。今回の研究成果は、米物理学誌「Physical Review Applied」に掲載された。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます