ホルムズ海峡は完全封鎖されず 多数のタンカーが追跡逃れ航行

2026/04/07
更新: 2026/04/07

多くの主要メディアが「イランがホルムズ海峡を封鎖している」と報じる中、ある調査機関が現地で実態を調べたところ、実際には多数のタンカーが応答装置を停止するなどして追跡を逃れながら海峡を通過し、原油を外部へ輸送していることが分かった。

アメリカの独立系投資調査会社シトリーニ・リサーチはこのほど、主要メディアの報道とは異なる実態を示す報告書を公表した。

同社は3月、アナリスト1人をオマーンに派遣し、1万5千ドルの現金のほか、録音機能付きのサングラスや隠しカメラ、キューバ産葉巻などを携行させて現地調査を行った。そのアナリストは一時、危険を冒してホルムズ海峡周辺で調査し、現地で直接情報を収集したという。

報告書によると、ホルムズ海峡では約50%のタンカーの航行情報が船舶自動識別装置(AIS)上で確認できなくなっている。これらの船舶は沈没したのではなく、応答装置を停止したり、低出力送信モードに切り替えたり、GPS情報を改ざんして虚偽の位置情報を送信したり、他船の識別情報を盗用したりすることで、追跡されにくい状態にしているという。

実際には、タンカーは海峡を通過して原油を外部へ輸送しているが、追跡システム上では、水路上に船が「一隻もない」ように見えるとしている。

報告書は、イラン革命防衛隊が海峡で「選択的封鎖」を実施していると指摘した。通航料を支払い、護衛を受け入れた船舶は通過できる一方、支払いを拒んだタンカーは拿捕されたり、攻撃を受ける可能性があるという。応答装置のデータ改ざんによって、海峡が全面封鎖されているように見せかけている一方、実際には航行が続いているという見方を示している。

分析担当者の調査によると、4月2日時点で海峡の通航量は1日当たりおよそ15隻まで回復していた。この数字は平時の水準を下回るものの、航行の実態からみて、航路の寸断は局地的かつ一時的なものであり、全面封鎖ではないことを示しているという。

報告書は、航路の混乱は今後もしばらく続くとしながらも、今後4~6週間で、通航量は衝突前の約50%まで回復すると予測している。