個人金融資産は過去最高 日銀の長期国債保有は過半割れ

2026/03/24
更新: 2026/03/24

日本銀行が2026年3月18日に公表した2025年第4四半期(10〜12月期)の資金循環統計(速報)によると、個人の金融資産残高は2351兆円に達し、過去最高を大きく更新した。株高・円安による時価上昇が資産を押し上げたほか、インフレや新NISAを背景とした投資信託などへの資金シフトも鮮明になっている。一方で、日本銀行の長期国債保有割合は過半数を下回るなど、金融市場における構造的な変化も確認された。

1. 個人金融資産は2351兆円で過去最高を大幅に更新

2025年12月末時点の個人金融資産残高は、前年比118兆円増(5.3%増)となる2351兆円に達した。年間26兆円の資金純流入があったことに加え、株高や円安に伴う時価上昇(プラス92兆円)が資産残高を大きく押し上げた結果である。 インフレによる資産の目減りが懸念される中、物価上昇の影響を加味した実質ベースでの伸びも前年比2.7%増となり、2四半期連続でプラス圏を維持している。

2. 「貯蓄から投資へ」の加速と現預金比率の低下

家計の資金流出入を見ると、冬の賞与支給などの影響により、普通預金などの流動性預金へ15兆円の純流入があった。しかし、定期預金などの定期性預金は0.1兆円の純流出へと転じている。ニッセイ基礎研究所は、日銀の追加利上げによる預金金利の上昇を見込んで、定期預金への預け入れを控える動きがあった可能性を指摘している。

一方、リスク性資産等への投資フローでは、株式等が0.1兆円の純流入にとどまったのに対し、投資信託には2.9兆円という大規模な純流入が継続している。インフレへの警戒感や新NISAの普及を背景に、高いリターンが狙える投資信託や、相対的に金利の高い国債・社債への資金シフトが明確に表れている。 この結果、個人金融資産全体に占める現預金の割合は48.5%にまで低下し、2四半期連続で5割を下回る結果となった。

3. 日銀の長期国債保有シェアがついに過半数割れ

国債市場における日本銀行の存在感にも変化が生じている。2025年12月末時点の国債(国庫短期証券を含む)の発行残高1167兆円に対し、日銀の保有残高は503兆円となり、全体の保有シェアは43.1%に低下した。

特に注目すべきは1年超の長期国債であり、日銀の保有シェアは49.0%まで低下し、2022年6月末以来となる「過半数割れ」を記録した。ニッセイ基礎研究所は、シェア低下の主な要因として、日銀が長期国債の買い入れ額を段階的に減らしていることや、金利上昇に伴い保有国債の時価が減少したこと(9兆円分)を挙げている。日銀が国債市場において圧倒的な最大保有者であることに変わりはないが、その存在感と影響力は徐々に後退しつつあると言える。

エポックタイムズの速報記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。