中国共産党(中共)当局の公式データによると、2025年の中国本土における狂犬病の発症は244例、死亡は233例で、死亡率は95%を超えた。発症数と死亡数はいずれも2020年以降で最多となり、関心を集めている。
中国本土メディアの報道によると、中国疾病予防控制センター(CCDC)は、2006年に狂犬病の総合的な防控措置を導入して以降、症例数は2007年に3300例に達した後、16年間にわたり減少傾向が続いたが、2024年に反転し、前年から30%以上増加したと明らかにした。2025年には発症数と死亡数の双方が急増し、2024年比で約50%増えたという。
報道は、こうした状況の背景として三つの要因を挙げている。第一は動物の免疫率不足で、中国の都市部におけるペット犬の狂犬病ワクチン接種率は69.1%、猫は30.9%にとどまる。農村部や遠隔地では40%未満で、世界保健機関(WHO)が示している「接種率70%で感染拡大を遮断」という基準を大きく下回っている。
第二は曝露後対応の不徹底だ。中国疾病予防控制センターのデータでは、毎年約4千万人が狂犬病への曝露にさらされているが、現時点で曝露後にワクチン接種を受ける割合は約35%にとどまる。重度の咬傷に当たるIII級曝露の患者でも、免疫グロブリンの使用率は36%にすぎない。
第三は管理上の欠陥と社会的要因で、近年、野良動物が急増している。2025年の都市部における犬猫の総数は1億2600万匹と、前年から221万匹増え、遺棄の増加が感染連鎖の形成を助長している。特に省境周辺では「管理の空白地帯」となり、複数部門の権限が重なって統制が及ばない状況が生じているという。
ある医療系ブロガーは投稿で、曝露後の接種率が35%にとどまっている一方で、中国では近年、年間5千万回以上の狂犬病ワクチンが使用され、1日平均約14万回に達し、世界最多で、世界全体の使用量の約80%を占めていると指摘した。
公開資料によると、狂犬病は狂犬病ウイルス(RABV)による人獣共通感染症で、中枢神経系を主に侵し、発症後は恐水症、光過敏、恐風症などの症状が現れる。現在、有効な特異的治療法はなく、致死率はほぼ100%とされている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。