近くイランでは大規模な反独裁抗議運動が発生し、当局が抗議参加者に対する大規模な殺害を行っている。こうした中、著名なイラン人映画監督のジャワド・ガンジ氏と、俳優で演劇演出家でもあるアフマド・アバシ氏が、抗議活動の最中に銃撃され死亡したとされ、イランの映画関係者らは国際社会に行動を求めている。
1月13日、米映画・映像メディアのデッドライン(Deadline)は、悪化の一途をたどるイラン情勢を巡り、イラン独立映画製作者協会(IIFMA)が声明を発表したと報じた。声明は、イスラム当局の対応について、インターネット遮断後の約3日間で2千人を超える無辜の市民が殺害されたとの報告があるとして、「イスラム当局の残虐な行為は衝撃的だ」と指摘した。
同協会の声明によると、1月9日、39歳の著名なイラン人映画監督・映画製作者のジャワド・ガンジ氏と、俳優で演劇演出家でもあるアフマド・アバシ氏が、テヘランで行われていた抗議活動の現場で、治安部隊により銃撃され死亡した。
声明は国際社会に対し、今回の事態を「より大規模な新たな天安門の悲劇」と位置付け、さらなる流血を防ぐためイラン国民の訴えに応え、今こそ行動すべきだと呼び掛けた。
天安門事件とは、1989年に中国共産党軍が北京の天安門で、平和的に請願していた学生や市民を殺害した事件を指す。
1月14日、イランの著名な映画監督ジャファル・パナヒ氏は、米国のナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の最優秀国際映画賞を受賞した際、イランで続く流血事態に国際社会が目を向けるよう訴え「私たちがここに立っている今も、イランでは抗議者に向けて発砲が行われ、街頭で残虐な殺戮が公然と起きている」と述べた。
パナヒ氏は、現実の惨状は映画のスクリーンではなくイランの街頭で展開されており、血が流れ、遺体が積み重なり、生存者が犠牲となった家族を探し続けていると説明したうえで、これは比喩でも物語でも映画でもなく、日夜、銃弾によって刻まれている現実だと強調した。その上で、映画人や芸術家に対し、沈黙せず、あらゆる声とプラットフォームを使って各国政府に働き掛け、この人道的危機を見過ごさないよう求めた。
公開情報によると、ジャワド・ガンジ氏はイラン西部ハマダン出身で、長年にわたりイランの映画・テレビ業界で活動してきた。これまでに複数の作品で助監督やプロダクション・プランナーを務め、「Mamnoo’-ol-Khorouji(立入禁止の男たち)」「Shayad Jayi Digar(別の場所で)」「Dokhtar-e Iran(イランの少女)」などに携わっていた。
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