イランの攻撃精度が向上 ロシアが米軍の位置情報を提供か

2026/03/07
更新: 2026/03/07

消息筋によると、イラン情勢をめぐり、ロシアが水面下で関与している可能性が浮上している。 ロシアはイラン側に対し、中東地域に展開する米軍の配置状況などの情報を提供し、米軍の指揮施設への攻撃を支援しているとされる。

複数の兆候から、イランによる米軍攻撃の精度が向上しており、その背景にはロシアの衛星画像の活用がある可能性が指摘されている。

米紙「ワシントン・ポスト」の報道によると、事情に詳しい情報当局者3人は、戦闘が先月28日に始まって以降、ロシアが米軍の軍事施設の位置情報をイランに提供してきたと明らかにした。提供された情報には、軍艦や航空機の所在も含まれるという。

情報筋は、ロシアの支援の具体的な範囲については明らかにしていないが、これまでの中東における米国の軍事施設が受けた被害状況を踏まえると、ロシアによる情報面での支援は「かなり包括的」である可能性があるとみられている。

別の関係者によると、米軍の攻撃により、イラン軍の米軍部隊の位置特定能力は一定程度弱体化しているという。さらにイランは軍用級衛星をわずかしか保有しておらず、独自の衛星コンステレーションも持たない。それにもかかわらず、イランは米軍基地や大使館、さらには民間施設に向けて数千機の一方向攻撃型ドローンと数百発のミサイルを発射している。

専門家は、イランの攻撃パターンから、ロシアが情報支援を行っている可能性が高いと指摘。標的には米軍の指揮統制インフラやレーダーシステムのほか、臨時施設も含まれている。クウェートでは、米兵6人が死亡した攻撃地点もその一例とされる。

また最近では、サウジアラビアの首都リヤドにある中央情報局(CIA)の拠点も攻撃を受けたと報じられている。

米シンクタンク・カーネギー国際平和基金のロシア軍事専門家、ダラ・マシコット氏は、イランは「早期警戒レーダーなどを非常に正確に攻撃している」と指摘。攻撃は強い目的性を持ち、主に指揮統制システムを狙っているという。

同氏はまた、イランが保有する軍用衛星が限られていることから、ロシアのより高度な衛星画像は極めて価値が高いと分析。特にロシアはウクライナ戦争を通じて精密打撃能力を磨いており、そのノウハウが活用されている可能性があるという。

ハーバード大学ベルファー科学・国際問題研究センター研究員、ニコール・グラジェフスキー氏も、イランの報復攻撃は標的の選定や米国側の防空システムを無力化する面で高度な「複雑性」を示していると指摘。さらに一部では防空システムを突破しており、攻撃の質は昨年夏にイスラエルとの間で起きた12日間の戦争の時よりも向上しているように見えると述べた。

では、なぜロシアはイランを支援するのか。背景には報復の意図があるとみられる。

ロシア・ウクライナ戦争において、イランはロシアの主要な支援国の一つであり、低コストの一方向攻撃型ドローンの生産技術を共有してきた。これらの無人機はキーウの防空能力を圧迫し、米欧がウクライナに供与した迎撃ミサイルの在庫を消耗させる目的で繰り返し使用されてきた。

事情に詳しい当局者の一人は「ロシアは、米国がウクライナにどれほどの支援を行っているかをよく理解している。だからこそ、報復を試みることに非常に前向きなのだと思う」と語った。

またワシントン・ポストの別の報道では、ロシアは米国とイランが長期戦に陥ることが自国にとって有利だと考えている可能性があると指摘されている。

紛争が長引けば原油価格の上昇によってロシアの収入が増えるほか、米欧の関心がウクライナ戦争からそれるためだ。

なお、この報道内容について、ロシアの在米大使館、米国防総省、中央情報局はいずれもコメントを控えている。

新唐人