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「沖縄は先住民族ではない」中国国連発言巡り石垣市議会が知事に意見書提出  明確な否定と説明求める

2025/12/16
更新: 2025/12/16

石垣市議会は15日、中国の国連代表部による国連総会第3委員会での発言を巡り、玉城デニー沖縄県知事に対し「中国国連代表部による国連総会第3委員会での発言に関し沖縄県知事に対し明確な否定と説明を求める意見書」を提出した。意見書は、沖縄県民の法的地位や実情について国際社会に誤解が生じているとして、知事に対し公的かつ明確な対応を求める内容となっている。

意見書(議員提出議案第26号)は、令和7年12月15日に石垣市議会に提出された。発端は、同年10月18日、国連総会第3委員会において中国の国連大使が、日本に対し「沖縄人などの先住民族に対する偏見と差別をやめるよう求める」と発言したことである。

意見書では、現在、日本政府が法的に先住民族として認定しているのはアイヌ民族のみであり、「沖縄人」または「沖縄の人々」を先住民族と位置付ける公式な法的根拠は存在しないと指摘している。多くの沖縄県民は自らを先住民族ではなく、日本国憲法の下で平等な権利と義務を有する日本国民として認識しているとし、中国の発言は日本の法制度および沖縄県民の実情と整合しないとした。

また、国連総会という国際的な公式の場での当該発言は、沖縄県民の法的地位について国際社会に誤解を生じさせるおそれがあり、極めて遺憾であると強調した。その上で、知事に対し、①沖縄県民は先住民族ではなく日本国民であることを明確に示すこと、②当該発言を断固として否定し抗議すること、③沖縄県民の法的地位と実情について国際社会に正確な説明を行うこと、の3点を求めている。

この問題を巡っては、玉城知事の国連での発言姿勢を背景に、以前から沖縄政界で議論が続いてきた。令和5年9月、玉城知事がスイス・ジュネーブで開催される国連人権理事会で演説を行うことが決定した際、国連人権理事会が沖縄の人々を1879年の沖縄県設置以降、日本政府に植民地支配されている先住民族と認識し、日本政府に対し先住民族の権利を守るべきとの勧告を2008年以降6回出していることを問題視した。これらの勧告は、沖縄県議会で議論されることなく国連から一方的に出されたものとしている。

これを受け、同年9月6日、県議会会派の「沖縄・自民党」は、知事に対し、最高裁判決の敗訴を人権問題と結び付ける論調や、「県民が先住民族である」と誤解を招く発言を慎むよう申し入れを行った。国内政治問題を国連人権理事会の場で訴える手法に疑問を示し、国内法秩序を軽視しかねない言動は厳に慎むべきだと要請していた。

さらに、令和7年10月の中国の国連発言を受け、同月28日には、地方議員や有識者らで構成する「沖縄の人々を先住民族とする国連勧告の撤回を実現させる沖縄地方議員連盟」が県庁を訪れ、玉城知事に要請書を提出した。中国の発言は日本の主権と地方自治を侵害する行為だとし、知事に対し公的かつ明確な抗議声明を出すよう求めた。

こうした一連の動きを背景に、石垣市議会は今回の意見書提出に踏み切った。中国の国連発言を明確に否定し、沖縄県民の法的地位と実情を国際社会に正確に示すことを、県民の代表である知事に強く求める形となっている。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます