米国防総省が最近、アリババグループや百度(バイドゥ)、電気自動車大手の比亜迪(BYD)など中国企業8社を新たに軍関連のブラックリストに追加するよう米議会に要請した。
専門家は、この動きが「中国依存からのサプライチェーン脱却」をさらに加速させ、中国企業の海外展開や中国国内のビジネス環境にも影響が及ぶ可能性があると指摘している。
今回対象となったのは、アリババ、百度、BYDのほか、新易盛通信、華虹半導体、Slamtec(速騰聚創)、WuXi AppTec(薬明康徳)、InnoLight(中際旭創)の計8社。国防総省はこれらの企業を「中国の軍需関連企業」と認定した。
ホワイトハウスが機密解除した資料によれば、アリババは中共の軍部に技術支援を提供しているとされ、米国の国家安全保障上の懸念として位置付けられている。
11月1日付の「最高機密」級の国家安全保障に関する覚書では、AI関連サービスや顧客データへのアクセス権の提供が指摘され、IPアドレスや決済記録なども含まれると記されている。
専門家の間では、これらの企業が「1260Hリスト」に加えられた場合、米国防総省との契約が制限され、さらなる制裁リストへの追加につながる可能性があるとの見方が強い。
『大紀元』コラムニストの王赫氏は、「中国の大手ハイテク企業は米国の先端技術と多方面で結びついている。米国はこうした分野の管理を強化し、中共とのデカップリングを加速させている」と分析する。
時事評論家の唐靖遠氏も、「アリババや百度は元来民間企業だったが、技術力の向上と規模拡大によって政府の関心を集め、次第に軍部との関係が強まった」と指摘した。
一連の報道や制裁方針を背景に、企業業績にも影響が表れ始めている。アリババの香港上場株は11月14日に4%下落し、純利益は前年比85%減少。百度の第3四半期売上高も前年同期比7.1%減少し、最終損益は112億元(約2350億円)の赤字となった。BYDの株価も477香港ドル(約9540円)から97香港ドル(約1940円)へ大幅に下落し、利益は32%の減少となった。
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