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モルドバ政府 ロシア大使を召喚し領空侵犯を抗議

2025/11/27
更新: 2025/11/27

モルドバは26日、ロシア軍無人機が再び領空を侵犯して墜落したとして、ロシア大使を召致し抗議した。モルドバ政府は、同様の事態が再発しないようロシア側に措置を求めた。

モルドバ警察によれば、ロシア軍がウクライナへの大規模攻撃を実施した25日、1機の無人機がモルドバ領空を侵犯し、フロレシュティ地区クフレシュティ・デ・ジョス村の果樹園管理人の家屋の屋根に墜落したという。

技術者による鑑識の結果、墜落した無人機はロシア製「Gerbera」型で、爆発物は搭載していなかった。この機体は電力が尽きると自動で降下する仕様だが、外部からの電子的妨害を防ぐ機能を備えているため、信号異常や外的要因での制御不能による墜落は回避できる。

Gerbera型無人機は、故障探知、監視、情報収集任務に用いるほか、爆発物の輸送も利用可能だ。専門家によれば、最大重量は約18キロ、航続距離は最大600キロ、巡航速度は時速約160キロ、最大高度は3キロに達するという。

モルドバ政府はロシアのウクライナ侵攻を非難しており、ロシアがモルドバの国家安定を損なおうとしていると指摘した。政府によれば、25日には計6機の無人機が領空を侵犯し、そのうち1機がウクライナ国境に近いフロレシュティ地区に着地、別の1機はモルドバ領空を通過してルーマニア方面へ飛行したという。

モルドバ外務省は今回の事案を「絶対に容認できない」とし「モルドバの主権に対する重大な侵害であり、国家および地域の安全に対する直接の脅威だ」と強く非難した。

問題の無人機は25日、モルドバ外務省庁舎前に展示された。ロシア大使オレグ・オゼロフ氏が建物に入る際、その姿を確認できたはずという。

しかしオゼロフ大使は、この無人機が実際にモルドバ領空を侵犯したのかを疑問視し、誰かがロシアとモルドバの関係をさらに悪化させるため意図的に騒動を引き起こした可能性を示唆した。オゼロフ大使は記者団に対し「信じられるだろうか?  燃料切れの無人機が屋根に降りて、何の被害も出ないというのは」と述べ「ロシアとモルドバの関係を損なおうとする偽旗作戦が多く存在する」と主張した。両国関係は「歴史的最低水準」にあるとも述べた。

モルドバは前週にも無人機侵犯問題でオゼロフ大使に抗議しており、ロシア側はモルドバが「反ロシア感情」を煽っていると反発している。両国が外交官を相互追放した最後の事例は今年4月である。

また同25日には、NATO加盟国のドイツおよびルーマニアの戦闘機が、ルーマニアのウクライナ国境付近で領空に侵入した無人機を迎撃するため緊急発進した。この無人機はこれまでで最も深くルーマニア領空へ入り込んでいたという。

曾子衡