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中国独立映画祭 開催直前に中止  主催者「正体不明の勢力から嫌がらせ」

2025/11/10
更新: 2025/11/10

11月8日から15日まで、アメリカ・ニューヨークで開催される予定だった第1回中国独立映画祭(インディ・チャイナ映画祭)が、11月6日に突然中止を発表した。映画祭の総監督である朱日坤(チュー・ルークン)氏は、映画祭関係者や自身の友人、家族が「正体不明の勢力」から嫌がらせを受けたため「苦渋の決断」を下さざるを得なかったと述べている。

朱氏は6日、フェイスブック上で緊急声明を出し、ニューヨークで予定していた中国独立映画祭に関するすべての公開イベントを中止すると明かした。

声明の中で朱氏は次のように述べている。
「もし私が今回の映画祭を中止しなければ、現在進行している状況を踏まえると、監督、フォーラムの参加者、関係者、ボランティア、さらには観客に至るまで、誰もが脅迫や嫌がらせを受ける危険がある」

朱氏によると、10月30日に父親から電話があり「国家の不利益になるような言動は控えろ」と忠告されたという。その後、北京で朱氏を手伝っていた女性が当局に連行され、さらに「朱日坤が帰国したら必ず法的に処罰する」と脅されたという。

さらに、上映会場には「ニューヨーク在住の中国人留学生のグループ」とだけ名乗る匿名の手紙が届き、上映予定の作品は「現代中国社会の実情を歪めている」と主張し、イベントの中止を求めた。

11月5日、朱氏はSNS上で「これは私に対して国際的な『戦争』を仕掛けようとしているのか?」と疑問を投げかけている。

49歳の朱日坤氏は北京大学を卒業後「現象スタジオ」を設立し、独立映画の制作を続けてきた。また、複数の国際映画祭で審査員を務めた経験もある。朱氏はこれまでにも、中国共産党(中共)当局から度重なる圧力や弾圧を受けてきたという。

人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」の中国部研究員ヤルクン・ウルヨル氏は、フランス国際放送(RFI)の取材に対し、次のように語った。
「中共政府は海を越えて、ニューヨーク市で開催するはずだった映画祭を中止させた。この最新の越境弾圧行動は、中共政府が、世界の人々の中国に対する認識や理解を支配しようとしていることを示している」