米農務長官のブルック・ロリンズ氏は2日、政府閉鎖により、アメリカ合衆国で実施されている、低所得者層向けの食料費補助プログラムの給付が週末に停止したことを受け、この補足的栄養支援プログラム（SNAP：Supplemental Nutrition Assistance Program）、すなわちフードスタンプは「破綻し、腐敗した制度である」と述べた。

FOXニュースとのインタビューで、ロリンズ氏は、トランプ政権が同プログラムの再開に向けて動いている一方で、21州が、不法移民がこの給付を受けているかに関するデータを政府効率化局（DOGE）に提供することを拒否したと発言した。

また、数千件の違法な給付利用が発見され、数十人がSNAP詐欺で逮捕され、数千人の死亡者が依然として給付を受け取っていた、と同氏は述べた。「そして、どうなったと思う？　協力した州だけでも、大規模な不正を発見したのだ」と、同氏は2日にXへの投稿で記した。

第2次トランプ政権が発足した後、農務省（USDA）はSNAP詐欺と不正利用に関する調査を開始した、とロリンズ氏は述べた。同氏は、農務省が全50州に対し、審査のために政府へデータを送るよう求めたが、21州が応じなかったと語った。

ロリンズ氏は、特定のSNAP給付が打ち切られれば、不法移民は自主的に国外退去することになり、国勢調査の結果が変わり、下院の選挙区が引き直されることになると示唆した。

農務省は1日からこのフードプログラムへの支払いを保留する予定であったが、2人の連邦判事が政権に対し支払いを行うよう命じた。この裁定後、受給者が使用するデビットカードにいつ資金が再入金されるかは不明だ。

ドナルド・トランプ大統領はソーシャルメディアへの投稿で、資金は提供するが、裁判所からのさらなる法的指示を望むと述べた。これを受けて、ロードアイランド州のジョン・J・マコーネル米連邦地裁裁判官は、3日までにSNAP口座への資金提供方法について政府に報告するよう命じた。

今週、民主党議員らは政府にSNAPへの資金提供を要求したが、共和党議員らは、10月1日に政府が閉鎖されて以来、議員らが政府再開に繰り返し反対票を投じたため、このプログラムがこのような悲惨な状況にあると反論した。下院議長のマイク・ジョンソン氏（ルイジアナ州選出・共和党）は先週金曜日、10月31日の記者会見で、「民主党が政府資金の確保に『反対』票を投じたのは、これで14回目となり、我々は今や限界点に達している」と述べた。

下院少数党院内総務のハキーム・ジェフリーズ氏（ニューヨーク州選出・民主党）はソーシャルメディアで、「トランプと共和党がSNAP給付を違法に保留している」ために、「数百万人の子供たちが飢える可能性がある」と主張した。

トランプ氏は、多数派を占める共和党上院議員らが、大半の法案が少なくとも60人の上院議員の支持を得なければ進まないようにしている議事妨害（フィリバスター）のルールを廃止することで、政府閉鎖を終わらせるべきだと示唆した。民主党議員らはこのフィリバスターを利用して、数週間にわたり上院での予算案の通過を阻止している。

多数党院内総務のジョン・スーン氏（サウスダコタ州選出・共和党）を含む上院の共和党指導者らは、フィリバスターを廃止しないと述べ、これを受けてトランプ氏は土曜日の夜、再び彼らに廃止を要求した。「弱腰で愚か者になるな。戦え、戦え、戦え！勝て、勝て、勝て！」とトランプ氏はソーシャルメディアにほとんど大文字で書き込み、民主党が再び上院を奪還すれば、このルールを終了させる可能性が高いだろうと述べた。さらに「我々は直ちにこの強要的な閉鎖を終わらせ、全ての議題を通過させ、アメリカ国民の生活を大変良いものにする」と付け加えた。