トランプ米大統領は28日昼、高市首相とともに東京・元赤坂の迎賓館で、北朝鮮による日本人拉致被害者家族と面会した。拉致問題について「我々は常に気にかけている」と述べ、解決に向けて「私たちにできる全てのことをやる」と約束した。トランプ氏が拉致被害者家族と面会するのは、2017年および2019年の来日に続き3回目となる。
この日の会談は、日米首脳会談を終えた後に行われた。トランプ氏は、報道陣から北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記との会談が実現した場合、拉致問題を取り上げるかとの質問を受け、「我々は議論するだろう」と答えた。拉致問題の国際的関心を維持する姿勢を改めて示した形である。
面会には、拉致被害者の家族会代表であり、横田めぐみさん(拉致当時13歳)の弟である横田拓也さん(57)らが出席した。家族側によると、当初はルビオ米国務長官との面会のみと伝えられていたが、直前になってトランプ氏も同席することが決まったという。横田氏は同日夜、都内で開かれた記者会見で「トランプ氏との面会実現は高市首相の力添えがあったからだと思う。心から感謝したい」と述べた。
日本政府は長年にわたり、拉致問題の早期解決を国際社会に訴えており、特にアメリカとの連携を重視してきた。トランプ氏は大統領在任中から拉致問題に関心を示しており、過去の訪日時にも家族と面会し、支援を表明している。今回の再会は、日米が引き続き人道問題として拉致問題を重視していることを示すものとなった。
政府関係者によると、今回の面会は首脳会談の一環として設定されたもので、拉致問題に対する国際的理解と協力を一層強化する狙いがある。日本政府は今後もアメリカとの協調を通じ、北朝鮮に対して被害者全員の早期帰国を求めていく方針である。
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