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高市総理 拉致被害者家族に早期解決への強い覚悟表明 「あらゆるチャンス逃さず突破口」

2025/10/24
更新: 2025/10/24

高市早苗総理は総理就任から3日後の令和7年10月23日、北朝鮮による拉致被害者家族らと首相官邸で面会した。総理は挨拶の中で、拉致問題の早期解決に向け「あらゆるチャンスを逃さない」と表明し、金正恩総書記との首脳会談に臨む覚悟があることを強く示した。

面会する高市総理(提供:首相官邸)

「国家主権侵害、人の命そのものにかかる問題」

高市総理は面会の冒頭、拉致問題の本質について「国家主権への侵害」であり、「人の命そのものがかかっている問題」だと指摘した。

2002年に5人の被害者が帰国して以来、23年間も帰国が実現していない状況を陳謝し、「御家族の皆様が悲痛な訴えを続けながら、肉親との再会を祈るしかなかったこの状況、大変申し訳ないことだと存じます」と述べた。

また、「我が子を抱きしめることなく他界された親御さんのお気持ちを思うと、一刻も早く、一日も早く拉致問題を解決しなければならない」とし、家族の強い思いを深く受け止めていることを伝えた。

日朝首脳会談に臨む覚悟を表明

解決への取り組みとして、高市総理は今後の外交展開に言及した。

国際連携の継続として、トランプ米大統領をはじめとする各国首脳との面会の際には、引き続き拉致問題について話し、理解と協力を求めていくとした。

その上で、「やはり、日本の主体的な取組、これが何より重要だと考えている」と強調した。

総理は、これまでの政権が行ってきた様々なルートでの働きかけを踏まえつつ、「私自身も自分なりにリーダーシップを発揮をしまして、何としても突破口を開くべく取り組んでまいります」と決意を表明。

さらに、「もちろん、金正恩委員長との首脳会談に臨む覚悟もできている」と述べ、拉致問題解決のためにトップ外交を行う用意があることを明確にした。

高市総理は、今回の面会について、「拉致問題の解決に向けた私の強い決意を皆様にお伝えするとともに、総理として今後北朝鮮と向き合うその原動力とするため」に機会を設けたと説明した。

 

拉致被害者家族が日朝首脳会談を強く要求

北朝鮮による拉致被害者家族会らは、高市早苗新総理との面会後の記者会見を国会内で開き、全被害者の早期一括帰国に向けた決意と要望を表明した。家族会側は、膠着状態が続く拉致問題の打開策として、高市総理による日朝首脳会談の早期実現を強く求めた。

拉致被害者御家族等との面会の様子。(提供:首相官邸)

世代交代を痛感、時間との闘いを訴え

今回の面会には、拉致被害者・横田めぐみさんの弟である横田拓也家族会代表や母の早紀江さん(89)、曽我ひとみさんら10家族15名が出席。横田代表は、親世代から兄弟・子ども世代へとメンバーが代替わりしたことに触れ、「時間の長さ、変化を痛感している」と述べた。

横田代表は、北朝鮮国内で拉致問題の「決裁権を持っているのは金正恩委員長ただ一人」であり、その一人と向き合えるのは「日本の総理しかいらっしゃらない」と指摘。高市総理に対し、「高市総理は国家観を強く持たれた方である議員であると私は個人的に思っている。強い権限を持たれて、この問題を一日も早く解決してほしい」と要望した。

続けて「人権問題・人道問題を解決することによって両国が明るい未来を描けるという彼ら(北朝鮮側)にも耳を傾けやすい環境を整えつつ、ご自身の言葉に熱量を込めて語ってほしい」と訴えた。

拉致被害者・横田めぐみさんの母、横田早紀江さん(提供:首相官邸)

また、母・早紀江さんの高齢に触れ、「元気なうちにめぐみと母が羽田空港で再会し、抱き合う姿を絶対に実現させなくてはいけない」と、切実な思いを語った。

拉致被害者・田口八重子さんの長男である飯塚耕一郎さんは、認定被害者の平均年齢が76歳と高齢化している現状を報告し、「本当に長い時間がかかりすぎている」と訴えた。その上で、拉致問題は核・ミサイル問題とは「切り離して進めていただきたい」という家族会の従来の主張を改めて総理に伝達したという。

新総理の姿勢に期待と信頼

家族会メンバーは、高市総理が就任後すぐに面会の機会を設けたことに感謝を表明した。

拉致被害者・横田めぐみさんの弟、横田哲也さんは、「総理の言葉に心があった」「優しさの中にも強さを感じた」と述べ、「高市政権なら解決してくれるんじゃないか」という期待感を表明した。

高市総理と木原官房長官(提供:首相官邸)

また、横田拓也代表は、拉致問題担当大臣を兼務する木原稔官房長官についても、「これまで国民大集会にも参加し、私たちの苦しみにずっと寄り添ってくれた方」と述べ、官房長官兼拉致問題担当大臣として各省庁の情報を集約し、総理と直結して意思決定できる体制を「心強い」と評価し、具体的な問題解決に期待を寄せた。

トランプ大統領への協力要請も強く要望

来週に予定されるトランプ米大統領の来日についても言及があった。家族会側からは「面会ができるといいですね」との希望が高市総理に伝えられたといい、現時点ではトランプ氏との面会予定について具体的に何も聞かされていないという。

横田代表は、トランプ大統領と面会が実現した場合、トランプ氏に「米朝首脳会談で金正恩委員長に対し、拉致事件を解決しないと物事が前に進まないんだということを伝えられればいい」と述べた。

 

▶大紀元EPOCH TIMES JAPAN編集長 ▶「日本の思想リーダーズ」「THE PARADOX 真実のへ扉」番組ナビゲーター 、「大紀元ライブ」番組ホスト。