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ミャンマー詐欺拠点が大規模拡張 7か月で異例の拡大速度

2025/10/17
更新: 2025/10/17

最近のメディア調査で、ミャンマー国境に位置する犯罪組織の拠点「KKパーク」が、過去7か月間で急速に拡大している実態が明らかになった。拠点では新たな区域の建設が進む一方、米実業家イーロン・マスク氏の通信サービス「スターリンク」を大規模に導入し、通信詐欺を継続しているという。

今年初めにタイ当局が実施した通信遮断作戦の効果は、事実上失われたとみられる。

AFP通信によると、衛星画像やドローン映像の分析で、タイとミャンマーの国境地帯ミャワディ周辺では詐欺拠点の拡張工事が続いており、厳重な警備のもとで多数の建物が新設されていることが確認された。特に最大級の詐欺拠点「KKパーク」では、屋上に約80基もの「スターリンク」アンテナが設置されているという。

「スターリンク」はミャンマー政府から正式な使用許可を得ていないものの、アジア太平洋ネットワーク情報センター(APNIC)の統計では、7月3日から10月1日の期間、同国で最も通信量の多いインターネット供給元として記録されている。

専門家によれば、これらの詐欺拠点では「ロマンス詐欺」や「豚の食肉解体詐欺」など、SNSを悪用した国際的な詐欺が横行しており、多くが中国系の犯罪組織やミャンマー民兵組織の支配下にあるとされる。

今年初め、中国共産党政権、ミャンマー、タイの3か国は国際的な批判を受け、合同で大規模な取り締まりを実施。地元武装勢力が支配する施設から約7000人の被害者を救出した。しかしタイ警察は、当時も少なくとも10万人が詐欺拠点内に拘束されていたと明らかにしている。

タイ当局は通信網の遮断や電力供給の停止、燃料の供給制限などの措置を講じたが、拠点側はその後、急速に代替通信網を整備し、施設の拡張を続けている。

現地関係者は「国境地帯の治安空白と技術の拡散が、犯罪組織の再生を容易にしている」と警戒を強めている。