9月16日、中国・広東省恵州市の台湾系靴工場「隆裕鞋業」で、賃金の未払いに抗議した数百人の従業員がストライキを起こした。生産は全面的に停止し、従業員らは役所まで行進して政府に解決を求めた。
多くは地方からの出稼ぎ労働者で、子どもの学費や親の治療費を給与に頼っている。湖南省出身の女性は「役所に訴えても、別の部署に行けとたらい回しにされただけ」と悔しさを漏らす。
同社はナイキなど世界的ブランドの下請け工場だが、需要低迷やコスト上昇で経営が悪化し、給料の支払い遅れが常態化。過去にも抗議は繰り返されており、今回は積もった不満が爆発した。
SNSでは「必死に働いても給料が出ないなんて酷すぎる」「こうしたニュースは見慣れたが、いつ自分も同じ目に遭うのか不安だ」との声が相次ぎ、同情と怒りが広がっている。
繁栄を謳う宣伝とは裏腹に、労働者は役所の前で汗の結晶であるはずの給料を「恵んでほしい」と願わされている。世界に響く大国のスローガンと、地べたで賃金を乞う現実。その矛盾はもはや一工場に限られない。日に日に増えるストライキや抗議の光景に、人々は口をそろえて言う。夜明けは近い、と。爆発の時は刻一刻と迫っている。

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