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米軍が日本に「タイフォン」配備  中国・北京も射程範囲内に

2025/09/19
更新: 2025/09/19

9月11~25日、日米両国は過去最大規模となる合同軍事演習を実施し、約2万人の兵士が参加した。15日には、米軍が初めて日本に中距離ミサイルシステム「タイフォン」を配備した。このシステムはトマホーク巡航ミサイルを搭載可能であり、その射程は台湾海峡全域をカバーし、さらに北京にまで届く。分析によると、これはアメリカが中国共産党(中共)を軍事力で抑止するための動きだと指摘されている。

今回の合同演習は「レゾリュート・ドラゴン」と名付けられ、9月11~25日、アメリカ海兵隊と陸上自衛隊が日本本土、沖縄、硫黄島など各地で2週間にわたり実動形式で行った。参加人数は昨年の2倍にのぼり、過去最大規模となった。

この演習で最も注目を集めたのは、米軍が山口県の岩国基地に初めて配備した中距離ミサイルシステム「タイフォン」だ。このシステムは状況に応じてさまざまな種類のミサイルを搭載することができ、例えば射程200キロのSM-6や、射程2500キロのトマホーク巡航ミサイルなどがある。日本に配備することで、台湾海峡全域はもとより北京やそれ以遠の地域も射程に入る。

「タイフォン」部隊を指揮するウェイド・ジャーマン大佐は、「このシステムは多様なミサイルを搭載できるため、敵は容易には手を出せなくなる」「陸上でも海上でも効果を発揮できる」と述べた。

台湾国防安全研究院戦略・資源所の蘇紫雲所長は、「第一段階は防空ミサイル、すなわちパトリオットによって中国の短距離弾道ミサイルを迎撃することだ。第二段階は中共海軍の拡張を封じ込めることだ」と説明した。

さらに蘇紫雲所長は、「第三段階がタイフォンの運用であり、台湾独自の「雄風」シリーズのミサイルも中国本土を攻撃する能力を持っている。このような状況下では、中共の東部戦区だけでなく、北部戦区や中部戦区までもが、反撃ミサイルの射程に入る。これは軍事的抑止力を示す上で重要な指標だ」と語った。

中華アジア太平洋エリート交流協会の王智盛事務総長も、「射程2千キロのミサイルであれば、北京だけでなく中国内陸部まで射程に含まれる。言い換えれば、アメリカは日本本土に中国本土を打撃できる戦力を実際に配備したことになる」と述べた。

また王智盛氏は「このような中長距離ミサイルによる先制的な攻撃は、中国の軍事力に対する事前の威嚇・抑止という意味を持つ」と補足している。

専門家の間では、日米両国が今回の演習で実際にこのような反撃能力を持つミサイルシステムを機動的に配備したことに注目が集まっている。今後は常態的な配備となる可能性があり、中国に対する強力な抑止力になると指摘されている。

蘇紫雲所長は最後に、「これは明確な実力による抑止だ。今回の演習で焦点となったタイフォンシステムの配備は、北京や北朝鮮といった潜在的な脅威に対して反撃の意思を示したものだ」と強調した。