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青ざめる中国共産党 ネパールの親中政権が崩壊 カルキ元最高裁長官が暫定政権の首相に

2025/09/15
更新: 2025/09/15

ネパールの大規模デモで親中だったオリ政権が倒れ、カルキ元最高裁長官が暫定政権の首相に就いた。政変をもたらしたデモの背景には、政府によるSNS規制だけでなく、政治家の腐敗に加え、富や就労機会がエリート層に偏っていることへのZ世代の怒りがある。専門家は中国共産党も対岸の火事ではないとの分析をしている。

9月9日、抗議者が警察車両に乗り、ネパール国旗を掲げてカトマンズの大統領府前に到着した。その前日、警察はソーシャルメディア禁止令や政府腐敗に反対するデモを弾圧していた。

ネパールでは「Z世代」の抗議が爆発し、親中共の共産党政権が崩壊した。抗議者は党本部の旗竿に登り、党旗を引きずり降ろした。直前まで北京の閲兵式に出席していたK.P.シャルマ・オリ首相は辞任し姿をくらました。この政変はネット上でも大きな話題となり、短期間での政権転覆は北京・中南海に衝撃を与えるとみられている。

ネパール全土に拡大した抗議

9月8日、ソーシャルメディア禁止と汚職に反対するデモが首都で発生。警察は催涙ガスやゴム弾で鎮圧を試み、少なくとも19人が死亡。抗議は共産党政権打倒運動へ発展し、各地に広がった。共産党本部は焼き討ちされ、党旗が引きずり下ろされる映像が拡散した。

オリ首相が辞任を余儀なくされる前に複数の閣僚がすでに辞任していた。9日以降、議事堂や首相官邸は抗議者に占拠・放火され、カトマンズは煙に包まれた。SNSには財務相や高官が抗議者に捕らえられ暴行される映像も流れた。オリ首相や高官らはヘリで脱出を図ったが、その後の行方は不明。車で群衆を突破しようとした高官も取り囲まれた。

大統領府は新指導者選出に向け手続きを進める意向を示したが、のちにバウデル大統領自身も辞任との報道が流れる一方、当人は声明で対話を呼びかけた。10日には軍が首都に進駐し、安定化を図っている。

オリ首相と中国との関係

オリはネパール共産党(統一マルクス・レーニン派)の創設者で、通算3度首相を務めた。長年親中路線をとり、チベット人を弾圧。2024年の第3次政権発足後、最初の外交訪問先に慣例を破り中国を選び、一帯一路協力を推進。2025年8月には上海協力機構サミット・北京の閲兵式に出席したばかりだった。

北京への衝撃

評論家の唐靖遠氏は、ネパールは小国ながら共産党が統治していたため、その一夜の崩壊は北京に大きな衝撃を与えると指摘する。背景にはSNS封鎖や汚職の横行、失業率上昇など中国社会に酷似した矛盾があり、中共も「白紙運動」を想起して恐れているという。さらに、軍が中立を保ったことが政権崩壊を加速させたと分析し、中国人民解放軍も習近平の命令に従うかは不透明だと述べた。

匿名の大陸学者「天寧」も、ネパールの変化は自由・民主・法治が不可逆的潮流となっている証左で、中共政権の崩壊も遠くないと語った。

中国での反響

9月10日、中国SNSでは「後閲兵効果」とも揶揄され、熱い議論を呼んだ。「習近平と握手したのが不運の始まり」「親中政府は結末が悪い」「次は中共だ」といった声も上がった。中国国内外のネット民はオリ失脚を中共と結びつけて論じ、「自由の力」への期待が広がった。

評論家の蔡慎坤氏は「独裁体制の崩壊は往々にして突然訪れる」と動画で語り、中国のネットユーザーも「民主と自由が始まる序曲だ」と歓迎の声をあげている。

寧海鐘
中国語大紀元の記者。
エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます
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