アメリカの上院議員が韓国・日本を訪問し、造船分野で両国企業との協力強化を図っている。アメリカ造船業の再建、そして中国造船業との競争力強化を目指し、日韓の先進技術や生産能力を活用した戦略的連携が進展している。

イリノイ州の民主党上院議員タミー・ダックワース氏とニュージャージー州の民主党上院議員アンディ・キム氏は、8月17日にソウルに到着し、その後日本に来る予定である。両議員は、世界第2位と第3位の造船国である韓国と日本の主要造船企業のリーダーたちと会談し、合弁企業の設立、インド太平洋地域における米海軍の非戦闘補助艦艇の建造・整備、さらに米国内造船所への投資について議論する計画である。

この動きは、アメリカの造船能力低下に対するワシントンの懸念を反映するものである。ダックワース氏は「現在の造船能力は、2003年の『イラクの自由作戦』当時よりもさらに低い。能力を再建しなければならない」と述べた。

アメリカの造船能力は中国に大きく遅れをとっている。アメリカの造船業の苦境は政策立案者に警鐘を鳴らし、国防総省は本年度予算で470億ドルを艦船建造に投じる計画を示した。

しかし、この巨額の予算でさえ中国との差を埋めるには不十分である。戦略国際問題研究所（CSIS）のデータによれば、2024年におけるアメリカの商業造船は世界全体のわずか0.1%に過ぎず、中国が53%を占め、韓国と日本がそれに続いている。この格差により、海上戦力のバランスが中国に傾くのではないかとワシントンは懸念している。

韓国のMASGA計画はアメリカ艦船の初の修理契約を獲得

戦略的議論にとどまらず、実務的な協力もすでに始動している。

韓国の造船大手・現代重工は、8月7日に米海軍の「ルイス・アンド・クラーク級」貨物弾薬補給艦「アラン・シェパード」の修理・オーバーホール（MRO）契約を得たと発表した。作業は9月に蔚山造船所で始まり、11月に引き渡す予定である。

この契約は「アメリカの造船を再び偉大にする」（MASGA）構想の下での最初の成果である。米韓関税交渉の際、韓国はMASGA計画を提示し、1500億ドルを投じて米国造船業の復興を支援すると約束した。

米海軍のジョン・フェラン長官は「これらの造船所の高度な専門能力を活用すれば、我々の艦艇は適時に修理を受け、最高の性能を維持できる」と強調した。さらに「大規模な修理・保守能力は戦備即応性を高め、前方展開戦力を維持し、地域の安定を強化する」と述べた。

韓国の韓華グループは昨年、米国フィラデルフィア造船所の買収を完了し、1940年代の生産能力水準に戻すことを約束した。同造船所は現在、韓華海洋の先進技術と韓華システムズの研究開発力を背景に、商業船と軍艦の建造を拡大する見通しである。

これらの取り組みは、アメリカ造船業再興の重要な節目であり、韓国企業がアメリカ造船産業に長期的投資を惜しまない姿勢を示している。

日韓で世界シェア4割、米国は戦略的パートナーと位置づけ

アメリカ造船業の衰退は1981年に始まった。この年、政府は国内造船所で建造・運航・融資される国際商船に対する補助金を終了した。この補助金は「1920年海商法」（ジョーンズ法）の第5章、第6章、第11章に基づくものであった。

補助金終了によって商業造船は崩壊し、顧客はほぼアメリカ政府のみとなった。この変化は商業造船能力の弱体化にとどまらず、工業力の長期的流出を招き、海軍部門に打撃を与え、戦略的需要への対応を困難にした。

一方、日本と韓国は巨大な生産力と先進技術を活用して世界造船市場を主導する立場に立った。統計によれば、日本と韓国の市場シェアは合計43.66%に達し、韓国が28.28%、日本が15.38%を占めている。両国の造船所は現代化された大規模生産能力と革新的設計で知られ、商業船・軍艦の両面で高い競争力を誇っている。

アメリカの専門家や政府関係者は、日本と韓国の企業の効率性と技術を導入することでアメリカ造船業の基盤を再建し、インド太平洋地域で必要な戦備を維持できると考えている。

日本と韓国との維修協力は、アメリカ軍の戦備を直接支える。日本と韓国の造船所は整備や後方支援ですでに大きな役割を担っている。この1年の間に、韓華海洋は米海軍の「ウォーリー・シラー」の大修を実施し、現代重工は「アラン・シェパード」の修理を進め、三菱重工も横浜で米軍艦船の整備を行った。

ワシントン大学 ヘンリー・M.・ジャクソン国際研究スクールの研究員ジュリアン・グエバラ氏は「日本と韓国は先進的かつ競争力のある造船産業を通じ、アメリカが造船基盤を再構築するための重要なパートナーである」と指摘する。さらに「これらの協力は米海軍の戦備維持を可能にし、米国内造船所の負担を軽減する」と強調した。