SNSのライブ配信で中国共産党の党首・習近平を「独裁者ではないのか?」と問いかけ、批判した河北省の青年・張琪沅(ちょう・きえん)さんが、地元の派出所から召喚を受けた直後に消息を絶った。
配信中は黒いマスク姿で登場し、堂々と発言。召喚受けた後も「私は中国にいる。実名で習近平に反対している」と明言。「自分は決して自殺しないし、妥協もしない」と宣言する動画を公開し、「もしもテレビで自白させられていたら、それは脅迫によるものだ」と訴えていた。
台湾出身の人気反共産党系YouTuber・八炯(はちけい、本名:温子渝)さんが、7月12日に張さんの救助要請動画を公開し、「彼はすでに消息不明となった。彼は消されるかもしれない、その名だけは覚えてほしい、張琪沅だ」と呼びかけた。
中国では「四通橋事件」以降、各地で反共の声が噴き出し、横断幕抗議や公開書簡も相次いでいる。弾圧が続いても抗議は止まず、体制批判の火種は消える気配がない。
張さんの行方はいまだ不明だ。しかし、沈黙を強いる体制が続く限り、声なき反発は中国社会の暗流となり、やがて不可避の爆発を引き起こすかもしれない。

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