2025年1月21日、鳥取県鳥取市にある「すき家 鳥取南吉方店」で提供されたみそ汁にネズミの死骸が混入していたことが発覚した。この事件は、SNSや口コミ投稿を通じて広まり、3月22日にすき家を運営するゼンショーホールディングスが公式に謝罪したことで、社会的な注目を集める事態となった。
事件は、1月21日の午前8時頃に発生した。客がみそ汁を食べる前に、異物の存在を指摘し、その場で従業員が確認したところ、ネズミの死骸であることが判明した。原因としては、具材を準備する段階でネズミが混入した可能性が高く、従業員が商品提供前の目視確認を怠った結果、そのまま提供されてしまったとされている。
すき家側は事件発覚後、店舗を一時閉鎖し、衛生検査を実施した。検査の結果、店舗内には建物のひび割れや亀裂など異物混入につながる可能性のある箇所が複数見つかり、それらの修繕作業を行った。また、従業員への衛生管理教育を強化するとともに、全国店舗に対して商品提供前の目視確認を徹底するよう指示を出した。保健所とも連携し、現地確認を経て営業再開に至った。
事件の詳細が公表される前から、SNSでは写真付きの口コミ投稿が拡散され、「フェイク画像ではないか」と疑う声もあった。しかしすき家側が事実であることを認めたことで、騒動はさらに拡大し、消費者からは、衛生管理体制への不安や批判が相次いだ。ゼンショーホールディングスの株価も事件公表後に急落し、企業イメージへの影響は避けられない状況となった。
今回の事件は、食品業界全体における衛生管理とリスクマネジメントの重要性を改めて浮き彫りにしたと言え、すき家は再発防止策として、管理体制強化を表明しているものの、消費者からの信頼回復には時間がかかると見られている。透明性ある情報公開と迅速な対応こそが企業として求められる姿勢であり、この事件は、他社にも衛生管理体制の見直しを促す契機となるだろう。
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