米トランプ政権は3月8日、コロンビア大学が反ユダヤ主義的な抗議活動に適切な対応を取らなかったとして、約4億ドルの助成金を打ち切ると発表した。
打ち切りは司法省、教育省、総務庁、保健福祉省が共同発表した。これらの機関は、「反ユダヤ主義対策合同タスクフォース」の一環として大学内の対応を監視している。
米政府の声明によると、今回の措置は「第一弾」であり、今後さらなる助成金の取り消しも検討されている。現在、コロンビア大学は合計約50億ドル(約7500億円)の連邦助成金を受けている。
教育省「大学は差別を防ぐ義務がある」
リンダ・マクマホン教育長官は、「10月7日(ハマスによるイスラエル侵攻)以来、ユダヤ人学生はキャンパスで暴力や嫌がらせを受けている。にもかかわらず、大学側は適切な対応を取っていない」と批判。
また、「連邦政府の資金を受け取る以上、大学には反差別法を守る義務がある。コロンビア大学はこの責任を果たしてこなかったため、今回の決定に至った」と述べた。
抗議活動の拡大と大学の対応
2023年10月7日にハマスがイスラエルを攻撃し、イスラエル軍の反撃が始まった後、アメリカの大学でも抗議活動が活発化。コロンビア大学では昨年、学生がキャンパスにテントを設置し、一部の建物を占拠する事態に発展した。
今週、大学提携のバーナード・カレッジでは、イスラエル史の授業を妨害したとして2人の学生が退学処分に。これに抗議する学生が複数の建物を占拠し、数名が警察に逮捕された。
トランプ氏、「違法な抗議活動を許す大学は資金を失う」
トランプ氏は、自身のトゥルース・ソーシャルで、「違法な抗議活動を認める大学は連邦資金を停止される」と警告。
「違法な抗議を許す大学には一切の連邦資金を与えない。扇動者は逮捕されるか、外国人留学生であれば強制送還される。アメリカ人学生も重大な犯罪を犯せば退学処分や逮捕される。マスク着用は禁止!」と投稿し、厳しい姿勢を示した。
コロンビア大学「反ユダヤ主義対策を進める」
コロンビア大学は声明を発表し、「反ユダヤ主義の根絶に向け、引き続き取り組んでいる」と強調。トランプ政権の決定を精査し、対応を検討するとした。
また、大学側はバーナード・カレッジで逮捕された4人の学生を即時に停学処分とし、キャンパス活動の禁止を通達。「違反した場合はさらに厳しい処分を科す」と警告している。
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