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DOGEの不正アクセス疑惑 職員4人が法廷で証言へ

2025/02/28
更新: 2025/02/28

政府効率化省(DOGE)の職員1人と、連邦政府の職員3人が、法廷で宣誓のもと質問に答える必要があると、連邦判事が2月27日に命じた。

DOGEのシステムアクセスをめぐる訴訟の進展

連邦地裁のジョン・ベイツ判事は命令書の中で、「この証言録取は、DOGEが労働省のシステムへアクセスするのを禁止する仮差し止め命令を審議する上で不可欠だ」と述べた。

仮差し止め命令が認められれば、DOGEは労働省のシステムにアクセスできなくなる。

「証言録取の範囲を適切な内容に限定し、被告側の負担を軽減するため、原告側は合計8時間以内で4人の証言録取を完了しなければならない」とベイツ判事は記している。

証言録取は、3月24日までに完了する必要がある。
証拠開示はまず書面による質問から始まり、その後、証言録取によって書面で明らかにならなかった事実を補う形で進められる。

証言録取の対象者と内容

DOGEのどの職員が証言録取を受けるかはまだ明らかになっていない。

DOGE職員には、同部門の指導体制や意思決定の仕組み、そして訴訟対象となった政府機関と関わるDOGE職員の役割や責任について質問が行われる予定だ。

また、労働省、保健福祉省、消費者金融保護局の職員3名も証言録取を受けることになる。これらの職員には、DOGEのどの職員が各省庁のシステムにアクセスしていたのか、またDOGE職員がシステムにソフトウェアをインストールしていたのかどうかなどについて質問される。

ホワイトハウスはこの決定についてコメントを控え、司法省も問い合わせに応じなかった。

訴訟の背景

米労働総同盟・産別会議(AFL-CIO)などの団体は2月初旬、DOGEが3つの政府機関の機密システムに不正アクセスし、法律に違反していると主張して訴訟を提起した。

ベイツ判事は、原告が求めた迅速な証拠開示を認めた。原告側は、DOGEの組織構造などに関する政府の説明が曖昧で一貫性がないため、早急に証拠を集める必要があると主張していた。

DOGEの指導体制をめぐる混乱も続いている。
大富豪イーロン・マスク氏は数週間にわたりDOGEのトップと見なされていたが、ホワイトハウスは2月中旬の法廷提出書類で、「マスク氏はDOGEの職員ではなく、意思決定権も持っていない」と主張した。しかしその直後、トランプ大統領は「マスク氏がDOGEの責任者だ」と発言した。
ホワイトハウスはまた、元医療業界重役のエイミー・グリーソン氏がDOGEの暫定管理者に就任したと発表した。

政府側の反論と他の訴訟

政府側の弁護士は、「原告の申し立ては、通常の訴訟手続きを無視し、裁判所が管轄権を判断する前に広範な証拠開示を求めるものだ」として、原告の要求を退けるよう判事に求めていた。

労働組合や市民団体などは、DOGEと協力する政府機関に対して、複数の訴訟を起こしている。
別の訴訟では、判事が教育省と人事管理局に対し、DOGEと機密データを共有することを禁止する差し止め命令を出した。その決定では、「原告側のプライバシー権が侵害される可能性がある」と判断された。

一方、ベイツ判事はAFL-CIOの訴訟において、一時的な差し止め命令の請求を却下していた。その際、「原告側が訴えの正当性を十分に立証できていない」と判断した。しかし、今回の迅速な証拠開示については、「原告が問題視する政府機関の行動の実態を明らかにするために必要」として認めた。

メリーランド州に拠点を置く大紀元のシニアリポーター。主に米国と世界のニュースを担当。