高速道路での走行中に急に動かなくなるという自動駐車システムの誤作動、突然の自然発火や爆発など、中国産のEVに関しては多くの事故が発生しており、その安全性に関する指摘が絶えない。
最近、衝突事故発生時に「エアバッグが作動しなかった」という「事件」までメディアに取りあげられ、EV車への不安の話題がまたしても熱い。
中国の旧正月、休暇期間中だった1月24日に「事故」は起きた。甘粛省(かんしゅくしょう)出身の張さんは家族を愛車である同国新興EV「理想汽車(リ・オート)L8 pro」に乗せて故郷に帰省中のこと。
車は突如、高速道路走行中に除雪車に追突し、運転手の張さんはその場で意識を失い、頭蓋骨骨折などの重傷を負い、車内の家族4人も、けがを負った。
張さんの愛車は事故の後、損壊程度は激しかったのに、衝突した際に膨らむように設計されているはずの運転席と助手席にある2つのエアバッグは作動しなかったと言う。
「もしあの時エアバッグもし作動していてくれたら、こんな重傷を負わずに済んだのではないか」と張さんは信じている。
問題のEVは張さんが2023年11月末に33.8万元(約700万円)で正規店で購入した新車だと言う。
退院後、張さんは保険会社に委託して、愛車を最寄りのメーカーサービスセンターへ運ばせて検査してもらうことにした。
「サービスセンターは、車両の車両運行データ(EDR)とエアバッグが作動しなかった件に関する検査報告書をくれると約束してくれたのに、結局は何もくれなかった」と張さんは訴え、110番通報した。
警察の介入により、サービスセンターは口頭でデータを伝えてくれたが「事故発生時の速度と衝突角度が十分でなかったためにエアバッグが作動しなかった」と主張していたという。
「事故発生時は時速50~60km/hで走行していた。あの車のエアバッグは2つともただのお飾りではないか」と張さんは疑っている。
事故の後、張さんの妻は仕事を休んで生活する都市から事故発生都市まで出向き、この問題に対処した。「サービスセンターは自分の休業損害と飛行機チケット代などを支払うと約束してくれたのに、そのお金もまだもらっていない」と訴えている。
「なぜエアバッグが作動しなかったのか。理想汽車の安全基準がどうなっているのかを知りたいだけだ」とメデイアに張さんは訴えている。
中国メディア「華商報大風新聞」によると、張さんは理想汽車のメーカーに何回も問い合わせたが、結果はまだないという。
一方で、理想汽車のサービスセンター(「銀川賀蘭服務中心)」の責任者は「うちの車に品質上の問題はない」と主張していると言う。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。