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米仏首脳会談 ウクライナの将来を協議 立場の違いが浮き彫りに

2025/02/25
更新: 2025/02/25

トランプ米大統領とマクロン仏大統領は2月24日、ホワイトハウスで会談し、ウクライナ戦争を早期に終結させる強い意向を示した。ただし、ウクライナの復興や安全保障、凍結されたロシア資産の活用については、両者の考え方に違いが見られた。

トランプ氏は、ロシアとウクライナの和平交渉を進めるため、マクロン氏との初会談を皮切りに本格的な外交活動を開始した。2月27日にはイギリスのキア・スターマー首相とも会談する予定だ。

トランプ氏は会談後の共同記者会見で「できるだけ早く停戦を実現し、恒久的な平和を達成することが重要だ」と述べた。また「今こそが和平実現の適切なタイミングであり、もしかすると唯一の機会かもしれない」と強調した。

ウクライナの長期的な安全確保にかかる費用について「アメリカだけでなくヨーロッパも負担すべきだ」という点に同意したマクロン氏を称賛した。

マクロン氏も戦争の早期終結に賛成する姿勢を示したが、ウクライナとヨーロッパの利益を考慮すべきだと指摘した。また「迅速に平和を実現したいが、内容の弱い合意は望んでいない」と述べた。

マクロン氏は安全保障に関しては、包括的な平和・安全保障パッケージの一環として適切な時期に交渉されるべきだとし、トランプ氏もこの方針を支持していると明言した。

一方で、トランプ氏はウクライナの安全保障の確保についてあまりコメントせず「ヨーロッパがウクライナの長期的な安全保障上で中心的な役割を担わなければならないし、欧州もそれを望んでいる」と発言した。和平交渉については「今後数週間が重要な局面になる」とした。

フランスの記者からウクライナ復興支援への貢献について問われた際、トランプ氏は支援を約束しなかった。その質問を「少し奇妙だ」と表現し、すでにアメリカはウクライナの防衛に多大な貢献をしていると指摘した。

マクロン氏は、凍結されたロシア資産を和平交渉の一部とし、ウクライナ支援に活用すべきだとの考えを示した。

トランプ氏はマクロン氏の発言を遮り「あなたがそう考えるなら、それで構わない。すべてを交渉の対象としており、あらゆる選択肢がテーブルの上にある」と述べた。

政治コンサルタントのカテリーナ・オダルチェンコ氏は大紀元に応じ「マクロン氏がロシアを侵略者と明確に位置付けている一方で、トランプ氏はプーチン大統領を独裁者と呼ぶことを避けており、両者のアプローチには微妙な違いがある」と指摘した。

ロシアとの交渉

マクロン大統領は、ウクライナ戦争が勃発してから3年目にあたる2月24日にホワイトハウスを訪れた。同日、ウクライナでは、多くの兵士の犠牲を悼む厳粛な式典が執り行われた。

トランプ氏は同日、ロシアとの交渉が進行中であり、米ロが今後の貿易や経済関係の強化を目指していると発表した。

米中東特使スティーブ・ウィトコフ氏も、同様の発言をし、和平合意が成立すれば米国企業がロシア市場に復帰できる可能性を示唆した。

トランプ氏は最近の発言で、プーチン氏との直接会談を計画していることを示しているが、具体的な日程は明らかにされていない。「適切なタイミングでモスクワに行くつもりだ。戦争は数週間以内に終わる可能性がある」と述べた。

米欧関係と関税問題

会談では、EUに対する関税問題についても議論された。トランプ氏は以前から、EUの貿易障壁や付加価値税(VAT)が米国企業や労働者に不利益をもたらしていると批判している。

「米欧の経済は非常に密接に結びついている」と、マクロン氏は共同記者会見で述べた。フランスと米国の閣僚レベルの担当者が今後も協議を続け、双方の立場の違いを調整していく方針を示した。

また、マクロン氏は2月23日に放送されたCNNのインタビューで、EUに関税を課すことは、アメリカ国内のインフレを加速させる要因になると警告した。「アメリカにとって本来の焦点は欧州ではなく中国だ。まずはそちらに集中すべきだ」と指摘した。

Emel Akan
エポックタイムズのホワイトハウス上級特派員、トランプ政権担当記者。 バイデン前政権とトランプ第一次政権時は経済政策を担当。以前はJPモルガンの金融部門に勤務。ジョージタウン大学で経営学の修士号を取得している。
カリフォルニアを拠点とする熱心な読書家であり、ジャーナリズムである。大紀元の金融、政治、州議会、そして速報ニュースを担当している。