日産自動車の株価が2025年2月21日の東京株式市場で急騰した。これは、菅義偉元首相を含む日本の高官グループが、米電気自動車(EV)メーカーのテスラによる日産への投資計画を策定したとの報道を受けてのものだ。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が21日に報じたところによると、この計画は元テスラ社外取締役の水野弘道氏が中心となって立案したという。FTは匿名の関係者3人の話として、菅元首相と菅政権時代に首相補佐官を務めた和泉洋人氏もこの計画を支持していると伝えている。
この報道を受け、日産の株価は同日午後の取引で大幅に上昇し、一時前日比13%高の472.8円まで上昇した。これは2024年12月18日以来の大幅な上昇率となる。
計画の詳細は明らかになっていないが、グループはテスラが日産の米国工場取得に関心を示すと考えており、将来的にテスラが日産の戦略的投資家になることを期待しているとされる。日産の米国工場は、テネシー州とミシシッピ州に位置し、年間生産能力は100万台だが、2024年の実際の生産台数は52万5000台にとどまっている。
この計画は、日産が最近ホンダとの580億ドル規模の合併交渉を断念したことを受けて浮上したとみられる。日産の業績不振や、台湾の電子機器大手フォックスコンなど外国投資家による買収の可能性への懸念も背景にあるという。
日産の広報担当者はこの報道についてコメントを控えている。
なお、ムーディーズは21日、日産の信用格付けをジャンクに引き下げたと発表した。
この報道は日産の将来に大きな影響を与える可能性があるが、現時点では関係者からの公式な確認は得られていない。今後の展開に注目が集まっている。
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