【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。

トランプ・マスク連合 米政治に衝撃を与え 政府に激痛メスを

2025/02/14
更新: 2025/02/15

アメリカ政治の風向きが変わりつつある。トランプ氏とマスク氏の連合により政府改革が新たな段階に入り、その衝撃がワシントン全体に広がった。この記事では、この新しい政治的ダイナミクスの形成過程と、国内外政策への影響を詳細に分析しよう。

最近、ワシントンの政治の風向きが変わったようだ。以前はすべての攻撃がトランプ氏を対象にし、「民主主義の危機」「国家安全保障への脅威」と叫ばれていたが、現在は焦点がマスク氏に移っている。この変化の理由は何か?

トランプ氏は変わらず、スタイルや政策もそのままで、支持率は上昇している。それにもかかわらず、なぜ政治家やメディアはトランプ氏を非難しなくなり、代わりにマスク氏を攻撃し始めたのか? トランプ氏が改善されたと感じるのか、それともトランプ氏のペースについていけず、単に標的を変えただけなのか?

今日は、この新しい現象について考えてみよう。トランプ氏を非難せずにマスク氏を非難するとは?、マスク氏は一体何をしたのか?、それが彼らをどれほど緊張させるのか?

マスク氏——ワシントンの「新たな問題」

正直に言うと、左派メディアは「悪役」を作るのが得意だ。以前はトランプ氏を「独裁者」「民主主義最大の危機」と呼んでいたが、今は彼のスタイルに慣れ、選挙票という後ろ盾を持つトランプ氏には、誰も手も足も出せない状態になってしまった。

では、なぜマスク氏がワシントンの新たな攻撃目標になったのか? それは、彼がトランプ氏よりもコントロールが難しいからだ。トランプ氏は常識外れの行動をとるが、政治家として選挙票や党内の駆け引きを考慮しなければならない。一方、マスク氏は選挙票に頼らず、政党の重荷もなく、従来の政治ルールにも縛られていない。

彼は企業家で、効率を上げ、無駄を省くことを目指している。問題を見つけたら直接解決し、ワシントンでも同じスタイルを貫く、切ると言ったら切り、官僚システムに情けをかけない。

そのため、マスク氏は一部の人々にとって、制御不能な「ワシントンの怪物」と見なされている。突然現れ、ルールを無視し、政府に介入する人物として。

一部の民主党員は、マスク氏が「我々の持つすべてを奪おうとしている」と主張して声を上げている。

しかし、マスク氏の行動スタイルは政治家と異なる。彼は以前にも同様のことを行い、ツイッター(現在のX)を買収し、すぐに90%の従業員を解雇した。皆、この会社は潰れると思っていた。

結果はどうだったか? Xは潰れるどころか、利益を上げ始めた。

今回、マスク氏がテクノロジー業界の「鉄腕改革」を政府システムに持ち込んだことで、前例のない衝撃を引き起こした。

1.DOGEに注意——マスク氏の最初の一手

マスク氏はワシントンに到着すると、まず「衝撃弾」を投下した。彼特有のユーモアを交えて。

彼はXに加工した画像を投稿した。ホワイトハウスの門に立てられた看板には「Beware of DOGE」(DOGEに注意)と書かれていた。ネットユーザーは大笑いしたが、ワシントンの政治家たちは笑えなかった。なぜなら、この言葉は単なる冗談ではないからだ。

この「DOGE」とは何を意味するのか? マスク氏が愛するドージコイン(DogeCoin)だと思う人もいるが、実際には彼が設立した「政府効率化省」(Department of Government Efficiency、略してDOGE)の略称である。

その意味は明らかだ―――マスク氏が来た=メスを入れる準備ができた! ということだ。

彼の目標はシンプルだ―――冗長な機関を削減し、行政効率を上げ、政府を効率的なテクノロジー企業のように機能させることだ。

しかし問題は、政府は企業ではなく、政治家も従業員ではないということだ。解雇したいからといって解雇できるのか? 予算を削減したいからといって削減できるのか?

そして、最初の正面衝突が始まった……。

2.マスク氏の「メス」はどこに向けられたのか?

マスク氏は「メスを入れるCEO」と呼ばれ、不要なものを切り捨て、非効率なものを最適化する。次は政府部門の番だ。

最初のターゲットは米国国際開発庁(USAID)だ

この機関は毎年数百億ドルの対外援助を管理し、理論上は「グローバルな発展を促進する」ことを目的としている。しかし、実際には多くのプロジェクトの資金の流れが不明確で、現場に届く資金は想像以上に少ない。

マスク氏は就任後すぐに、大部分の支出を凍結し、USAIDを国務省に統合した。これにより、管理コストを削減し、資金の使用を透明にすることが可能になった。

まるで一気に蜂の巣をつついたかのようだ。

長年国際援助に依存してきたNGO(非政府組織)や政府請負業者たちは、慌てて反対の声を上げ、民主党の議員たちも迅速に声明を発表した。彼らは、マスク氏が「アメリカのグローバルな影響力を損なっている」と非難し、中国共産党に国際的な影響力を拡大する機会を与えていると主張した。

しかし、アメリカのルビオ国務長官はメディアに対し、アメリカは中国共産党の影響力拡大を懸念していないと述べた。ルビオ氏は、中国共産党が世論を無視して納税者のお金を使って影響力を買おうとするなら、それは彼らの問題であり、アメリカはそれに関与せず、アメリカの強さ、安全、繁栄に無関係なプロジェクトに資金を提供することはないと強調した。ルビオ氏は、対外援助は慈善事業ではなく、自国の国益を促進するために結びつけるべきだと強調した。

一方、中国共産党はどうなっているのか? 国内経済が下降し、産業が衰退し、地方債務が急増しているにもかかわらず、習近平は大規模な資金投入を続け、誰よりも積極的に資金を使っている。メディアによると、中国共産党は「一帯一路」構想の枠組みで、沿線国への投資が1兆1千億ドルに達し、その80%がアフリカや南米などの財政困難な国に対して行われている。

次の手:政府内部の「覚醒アジェンダ」

次に、マスク氏の改革第二の一手は政府内部の「覚醒アジェンダ」をターゲットとしている。これにはDEI(多様性、公平性、包括性プログラム)が含まれる。

アメリカ政府は毎年数十億ドルをDEIトレーニングや宣伝に特化し、さまざまな連邦契約にDEI指標を設定していたが、マスク氏は一気に100億ドル相当のDEI外部委託契約を取り消し、このプロジェクトで生計を立てていた多くの機関の資金源を瞬時に断った。

これで終わりではない。彼は連邦政府のリモートワークを廃止し、全ての従業員は毎日8時間出勤しなければならないと宣言した。従わなければ自動的に退職となる。

結果、ワシントンの公務員サークルは大騒ぎになった。ここ数年、多くの政府職員は「リモートワーク」の快適なリズムに慣れていたが、毎日オフィスに行くよう求められ、多くの人が「退職金パッケージ」を受け取って去ることを選んだ。

統計によると、わずか数週間で6万5千人の連邦職員が自主的に退職し、これは政府全体の3%に相当する。

この一連の「メスを入れる」行動は、ワシントンの官僚システムを完全に混乱させた。既存の政治家たちはマスク氏を単なる「テクノロジーマニア」だと思っていたが、彼が「手術マニア」でもあることが判明した。

マスク氏は政府資金援助のメディアを閉鎖したいのか?

これで終わりではなく、マスク氏は政府から資金援助を受けているメディア、例えばボイス・オブ・アメリカ(VOA)やラジオ・フリー・ヨーロッパ(RFE)にも矛先を向けた。彼は、これらの機関が毎年納税者の10億ドルを無駄に使い、イデオロギーの宣伝ツールとなっているため、政府の資金援助を続けるべきではないと述べた。

この行動は、メディア界の怒りを引き起こした。CNNやMSNBCはすぐに記事を発表し、マスク氏を激しく批判し、「言論の自由を破壊している」と非難した。しかし、マスク氏は反論した。なぜ政府は納税者のお金を使ってメディアを支える必要があるのか? この質問に、多くの人が一瞬言葉を失った。

同時に、連邦通信委員会(FCC)は全米公共ラジオ放送(NPR)の財政状況を調査し、違法に政府資金を受け取っていないかを確認している。この一連の動きは、ワシントンの世論を完全に混乱させた。

そこで、問題が生じる。これらの政府資金援助を受けているメディアは、本当に廃止されるのか? もしこの一手が成功すれば、次のステップとして、マスク氏は「政府の透明化」をさらに深めるだろう。

なぜメディアは突然トランプ氏を「放置」したのか?

多くのことを話してきたが、あなたはおそらく奇妙な現象に気づいているだろう。以前は主流メディアが毎日トランプ氏を追い回し、「民主主義の危機」や「国家安全保障の脅威」と騒いでいたのに、なぜ今、突然彼に対して「冷淡」になったのか?

これは正常ではない。以前の主流メディアのニュース手法を覚えているか?

トランプ氏が何かを発言すると、彼らはすぐにその発言の文脈を無視し、最も物議を醸す部分を取り上げて過剰に解釈した。次に、いわゆる専門家を呼んで「分析」を行わせ、この発言がどのように「民主主義を傷つける」かについて語らせた。そして、批判的な意見をいくつか見つけて、それを大きな記事にまとめた。最後に、目を引く見出しで総括した。「トランプ氏がまた狂った」と。

この手法は何度も効果を発揮してきたが、今はメディアの攻撃力が明らかに弱まっている。なぜだろうか?

数年前、この手法は特に効果的であった。トランプ氏がツイート(X)すると、メディアは批判し、トランプ氏が反論し、ニュースの熱が続いた。

しかし今は違う。メディアのトランプ氏に対する攻撃力は弱まっている。

なぜだろうか? いくつかの理由を考えてみよう。まず、トランプ氏は民選の大統領で、民意と法律の保護がある。次の理由は非常に興味深い。

1.トランプ氏の動きペースは速すぎ、メディアが追いつけなくなっている

以前はメディアがトランプ氏をよく批判していたが、今では彼の動きのペースに反応できないことに気付いている。ある政策を批判し終えたと思ったら、彼はすぐにさらに衝撃的な話題を投げ出す。

一つのニュースがまだ話題にならないうちに、トランプ氏は次の行動を始めている。記者たちがどのように記事を書くべきか考えている間に、その話題はすでに古くなってしまっている。メディアのニュース制作モデルは一定のリズムを持っており、ストーリーの構築、取材、原稿作成、チェック、発表には時間がかかるが、トランプ氏に関するニュースの密度が高すぎるため、記者たちは批判的な記事を作成する「時間がない」と慌てていると言う。

2.以前は笑われていた「トランプ氏の狂言」が、一つずつ現実になっている

2019年、トランプ氏はグリーンランドの買収を望んでいたが、メディアやデンマーク政府はそれを嘲笑した。しかし現在、NATO事務総長のマーク・ルッテ氏がグリーンランドの戦略的価値の重要性を認めており、デンマーク政府も北極防衛の強化に取り組もうとしている。

「ウクライナがレアアースと引き換えに軍事援助を受ける」というトランプ氏の提案も、当初はメディアに嘲笑されたが、今ではウクライナのゼレンスキー大統領がこれを公平だと認めている。

さらに、アメリカがパナマ運河の再支配を主張した際、多くの人が夢物語と考えていたが、今ではアメリカはパナマに圧力をかけ、軍艦や政府船舶の無料通行を要求し、経済的または軍事的手段で支配を強化する可能性を示唆している。

3.マスク氏はさらに「手の打ちようがない」状況を作り出している

マスク氏はトランプ氏と異なり、企業家として政治の枠組みや伝統的なルールに縛られずに行動する。例えば、マスク氏が「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)やラジオ・フリー・ヨーロッパ(RFE)を閉鎖できる」と主張した際、伝統的な政治闘争に慣れたワシントンにとって、これは大きな衝撃であった。

マスク氏は、Xプラットフォームの大物オーナーとして2億人のフォロワーを持ち、直接攻撃を開始する。これにより、伝統的なメディアは「専門家分析」や「理性的批判」が全く効果がないと感じ、「打つ手がない」状況に陥っている状況なのだ。

4.『タイム』誌の「微妙な暗示」

『タイム』誌では、マスク氏が大統領執務室の椅子に座っている画像を加工した表紙が発行され、「誰が権力を握っているのか?」と問うている。この表紙が出るとすぐに、CNNは「これはトランプ氏を怒らせる可能性がある」と述べたが、トランプ氏の反応は冷淡であり、「『タイム』誌はまだ倒産していないのか?」と発言している。

トランプ氏とマスク氏のこのコンビは「暴走加速モード」に突入しており、メディアがそのペースについていけなくなったこと、マスク氏の影響力が強まり、新たな焦点となっていることが理由である。

トランプ・マスク連合の「暴走モード」

教育省と国防省、今回は本気である

皆さんがご存じの通り、トランプ氏は政府機関の効率に常に不満を持っている。特に教育省と国防省は、予算が毎年増える一方で効果がそれほど良くないと感じてきたと言う。

今回、彼はマスク氏を引き込み、より大きな権限を与え「帳簿を調べる」ようにした。

噂によると、教育省は将来的に解散され、各州が自ら管理することになるかもしれない。

実は、トランプ氏は以前からこの考えを表明しており、連邦政府の教育介入がシステムを肥大化させ非効率にするという見解を持っていた。彼は教育の権限を各州に戻し、地域が自身のニーズに基づいて、政策を立てるべきだと主張してきた。

この計画が実施されれば、アメリカの教育システムは、設立以来最も劇的な改革を迎え、次世代の育成モデルにも影響を与える可能性がある。

国防省の「帳簿」が開かれた。

トランプ氏は、スーパーボールの前のインタビューで「次は軍隊だ」と明言した。彼の意図は明らかで、マスク氏の次のターゲットは国防省である。

この発言が出た瞬間、軍需産業の大物たちは、コーヒーカップを落としそうになった。国防省の年間予算は8500億ドルに達し、その中に不必要な支出や隠れた無駄はないのか? これは非常に敏感な問題である。

考えてみてほしい。数十年にわたり、アメリカの軍事費は増加し続け、軍需産業の利益は深く結びついている。マスク氏が本気で動き出した場合、どれほどの抵抗が予想されるか?

トランプ氏も明言している。マスク氏はこの改革から何の利益も得ない。つまり、彼は「独立した観察者」として国防予算を審査するのである。

したがって、今後はマスク氏の行動を見守るしかない。この展開は、非常に興味深いものになるだろう。

アメリカの国際政策の大改革

国内改革だけでもワシントンのエリートたちを悩ませているが、トランプ・マスク連合の国際的な動きは、世界の政界をさらに混乱させている。

アメリカのルビオ国務長官は、イスラエルとエジプトへの軍事援助を除くほぼすべての国際援助プログラムを一時停止するよう命じた。

これは、長年アメリカの資金に依存してきたNGOや国際組織が資金不足に直面する可能性を示している。

ワシントンの外交サークルにとっては大きな衝撃であり、アメリカの海外援助は、長年にわたり利益チェーンを形成してきたため、その突然の中止は計り知れない影響を及ぼすと思われる。

さらに、ウクライナへの援助方法も大きく変わり、アメリカはパナマ運河について再交渉を求めている。

反対勢力の「緊急対応」

トランプ・マスク連合の強力な推進に直面し、ワシントンの既存勢力は何もせずにいるわけではなく、すでに全面的な反撃を開始している。

連邦議会では、民主党の議員たちが「政府効率化省」(DOGE)の権限を制限する提案を出している。その理由は、「マスク氏の改革が政府のバランスを崩している」というものである。

彼らはこの改革の進行が速すぎて、自分たちの利益が脅かされ始めていることに気づいたのだ。

中には「マスク氏の政府機関への攻撃は違憲であり、議会は彼を召喚すべきだ」と主張する議員もいる。

その結果、マスク氏はXで反論した。彼はトランプ氏の支持と共和党の庇護を受けているため、普通の人々では、彼を動かすことはできないことを分からせようと反論した。

結論として、トランプ・マスク連合の未来はどうなるのだろうか?

現在の状況はますます明確になっている。トランプ氏は政治的な改革を主導し、マスク氏は行政面での高効率な実行を推進している。

二人のスタイルは異なるが、目指す目標は一致している―――政府の冗長性を減らし、効率を高め、国際関係を再調整することである。

反対勢力はすでに反撃の組織化を始めており、メディアや軍需産業、一部の議員がこの改革の深化を阻止しようとしている。

そこで、いくつかの疑問が生じる:

マスク氏の政府効率化改革は本当に続くのか? 国防省の予算は本当に大幅に削減されるのか?

議員やメインストリームメディアの反撃は、トランプ・マスク氏連合の進展に影響を与えるのか?

この政治的嵐は続いており、私たち一般市民にできることは、この「大手術」がアメリカをどこに導くのかを見守ることだけである。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
唐青