イタリア DeepSeekをブロック AIアプリのプライバシー問題とEUの規制動向

2025/01/30
更新: 2025/01/30

1月29日、イタリアのAppleとGoogleアプリストアでは、中国のAIアプリDeepSeekをブロックし、アクセス不能とした。アイルランドのデータ保護委員会は、DeepSeekにアイルランドユーザーのデータ処理に関する情報提供を要求している。

ロイター通信によると、AppleのApp Storeはイタリアの顧客に「現在お住まいの国または地域では利用できません」と通知し、Googleのアプリプラットフォームは「サポートしていない」と表示されると言う。

DeepSeekは先週、無料のAIアシスタントをリリースした。27日には、低コストのため、AppleストアでのDeepSeekアプリのダウンロード数が、アメリカの競合ChatGPTを上回り、テクノロジー株の売却が発生した。28日に、イタリアのデータ保護機関は、DeepSeekに個人データの使用状況に関する情報を要求したと言う。

イタリアがDeepSeekの法令遵守を調査中

ANSAニュースによると、イタリアのデータ監督機関の責任者パスクアーレ・スタンツィオーネ(Pasquale Stanzione)氏は、このアプリを削除したというニュースは最近のものであり、監督機関の要求によるものかどうかを、判断するのは時期尚早であると述べている。

スタンツィオーネ氏は次のように付け加えた。「我々の事務所は、DeepSeekがGDPRの規則を遵守しているかどうかを確認するために詳細な調査を行う」

イタリアの規制当局Garanteは28日、DeepSeekが収集する個人データの種類、出所、目的、法的根拠、さらにそのデータが、中国に保存されるかどうかを明らかにするよう求めた。GaranteはDeepSeekとその関連会社に20日間の回答期間を設けた。

スタンツィオーネ氏は、規制当局がこのアプリの未成年ユーザーを保護し、偏見の拡散や選挙干渉を防ぐ方法を模索していると述べた。

イタリアのGaranteは、人工知能の使用を監視する上でヨーロッパで最も積極的な機関の一つである。

アイルランドがDeepSeekにデータ処理情報の提供を要求

アイルランドのデータ保護委員会は、多くのアメリカの主要インターネット企業にとってEUの主要な規制当局である。これらの企業のEU事業はアイルランドに拠点を置いているが、DeepSeekはアイルランドをEU本部として指定していない。

アイルランドの規制当局は次のように述べている。「データ保護委員会(DPC)はDeepSeekに書簡を送り、アイルランドのデータ主体に対しデータ処理に関する情報提供を求めた」

29日現在、DeepSeekは、他のEU諸国およびイギリスでダウンロードと使用が可能である。

ドイツ内務省の報道官は、2月23日の全国選挙前に潜在的な干渉を防ぐため、政府は人工知能アプリを監視していると述べている。

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