韓国の裁判所は31日、12月3日に戒厳令を敷く決定をしたことで弾劾され職務停止となっている尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に対する逮捕状を承認したと捜査当局が明らかにした。
韓国メディアによれば、現職大統領に対して逮捕状が発行されたのは韓国史上初めてのことだ。
尹氏の逮捕状がいつ、どのように執行されるのかは明らかになっていない。大統領警護部は31日の声明で、逮捕状を法的手続きに基づいて扱うと表明した。
高位公職者犯罪捜査処(CIO)によると、ソウル西部地方裁判所は、尹氏の自宅を捜索するための令状も裁判所が承認したという。
これに先立ちCIOは、尹氏が内乱を主導し職権を乱用した疑いで、3度にわたり出頭を求めていた。しかし、尹氏は召喚に応じなかった。
昨日、CIOは裁判所に尹氏の逮捕令を請求し、承認を得た。
戒厳令の決定と弾劾
尹氏は12月3日に戒厳令を実施し、12月14日に国会で弾劾され職務停止となった。現在、韓国憲法裁判所が尹氏の職務を解任するか、復職させるかを審理している。
憲法裁判所は、12月14日から180日以内に最終決定を下す見通しである。
これまで警察は、大統領官邸への強制捜査を試みたが、大統領警護処が「軍事安全上の理由」を挙げて立ち入りを阻止した。
尹氏は刑事調査の対象となっており、内乱罪で起訴される可能性がある。韓国の現行法では、大統領には刑事訴追を免れる特権があるが、この特権は内乱罪や反逆罪には適用されない。
共同通信によると、その後、韓国の尹錫悦大統領の弁護団は、尹氏に対する拘束令状の効力停止を求める仮処分などを憲法裁判所に申し立てる予定だと明らかにした。
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