タイ政府は12月9日、中国製を中心とする粗悪品の輸入量が20%減少したと発表した。これは7月以降、規制と検査を強化した結果であり、農産物、消費財、工業製品においてタイの基準を満たさない輸入品が大幅に削減された。
タイ政府のサシガーン・ワッタナチャン副報道官は、「品質の悪い商品を厳しく取り締まり、特に農業、消費財、工業製品に重点を置いている」と述べた。
粗悪品への厳しい取り締まり
公式データによると、政府は約19億円(5億600万バーツ)相当の違法輸入品を押収している。押収品には偽造品、シャツ、靴、電子タバコが含まれる。
また、7月から導入された7%の付加価値税(VAT)は、1500バーツ以下の商品にも課され、これまでに約24億7450万円(7億700万バーツ)の税収をもたらした。しかし、税関当局によれば、この措置が消費者に与える影響は限定的であるという。実際、電子商取引プラットフォーム経由で輸送された1500バーツ以下の商品数は前年の2倍に増加し、総輸入額は前年比50.4%増の約8217万円(2490万バーツ)に達している。
タイ中小企業の悲鳴
安価な中国製商品がタイ国内の製造業や商業に混乱をもたらし、工場閉鎖や失業が相次いでいる。これを受け、今年10月末にはピチャイ・ナリパタパン商務大臣が16の政府機関代表と会合を開き、対策を議論した。その結果、外国製品や違法商取引に関連する問題を解決する委員会が設立され、さらに2つの専門チームが編成された。
1つ目のチームは中小企業の支援と粗悪品の取り締まりに取り組み、製品の品質管理措置を策定する。タイの中小企業を支援し、海外からの低品質商品の取り締まりを担当している。輸入製品の品質を保証するため、品質管理措置を策定し、オンラインプラットフォームと協力して取り組む予定だ。2つ目のチームは、違法ビジネスに関与する外国企業を取り締まる責任を負う。
ピチャイ氏は具体的に中国を名指ししなかったが、TemuやLazadaなどのオンラインプラットフォームが中国製の商品を販売していることは広く知られている。
現場で響く経営者の声
一方、一部の経営者からは「対策が遅すぎる」との声も上がる。バンコクの靴下卸売業者は、「6月から10月までの売上が前年同期比で80%減少した」と語る。彼によれば、「以前は1ダース120〜130バーツの靴下を販売していたが、現在は75〜85バーツの中国製靴下が市場を席巻しており、1足10バーツという安価で転売されている」と述べた。
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