今年(2024)の夏、中国共産党はアメリカのソーシャルメディアで法輪功と神韻芸術団を標的にした攻撃を強化した。この新たな戦略は、第20回党大会を前にした習近平の指示によるものだ。袁紅氷教授によれば、これらの攻撃計画は、中国共産党の最高指導部が直接策定したもので、習近平がその首謀者であることが明らかになった。
今年の夏、中国共産党のスパイや元法輪功の学習者、元神韻芸術団のメンバーがアメリカのソーシャルメディア上で神韻芸術団と法輪功を攻撃し始めた。これに続いて、『ニューヨーク・タイムズ』も神韻を標的とした複数の攻撃的な記事を発表した。
中国共産党公安内部の情報筋によると、海外での法輪功攻撃は、新任国家安全部長の陳一新が権力欲から上層部に取り入ろうとする計画の一つとされる。オーストラリア在住の法学者、元北京大学教員、袁紅氷教授は12月5日、大紀元に対し、これらの計画は共産党の最高指導部による陰謀的な布石から直接来ており、首謀者は習近平だと明かした。
中国共産党第20回党大会前の秘密会議と習近平の指示
袁紅氷教授は、中国共産党体制内の人物とつながりがあり、大紀元に対して、中国共産党の第20回党大会前の会議で新たな計画が練られたことを明らかにした。
彼の情報源には、習近平の独裁に反対する権力層のメンバー(中共草創期に活躍した高級幹部の子弟など)や、情報の質が確認された良心的な人物などからの情報が含まれている。
袁紅氷教授は次のように述べた。
「情報の最初の出所は、中国共産党の第20回党大会開催前に、情報、治安、司法、検察、公安などの部門を主管する機構である中国共産党政法委員会が内部会議、つまり秘密会議を開いたことだ。これらの会議は基本的にすべて秘密で、公安部長、国家安全部長、政法委員会の書記と数人の副書記が参加した」
情報によると、秘密会議が第20回党大会前に開催されたのは、公安と国家安全の責任者が交代する時期、いわゆる「前任から後任への引き継ぎ」の過渡期であり、当時政法委員会秘書長だった陳一新が実質的に国家安全部長に昇任することが決まっていた。
袁紅氷教授は、この会議に外交部や統一戦線工作部の官僚が参加したと述べた。そして重要なのは、習近平自身がこの会議に出席し、彼らの言葉を借りれば「重要な指示」を行ったことだ。
袁紅氷教授は情報源の言葉を引用し、習近平の指示の主なポイントを次のように伝えた。
まず第一に、習近平は中国共産党の第18回党大会以前は、海外での法輪功に対する攻撃は基本的に失敗していたと述べた。
袁紅氷教授は「注目すべきは、習近平が『第18回大会以前』という言葉を使ったことだ」と指摘した。
習近平は前任の胡錦濤や江沢民の名前を直接挙げなかったものの、習近平が第18回党大会で政権を握ったことを考えると、これは間接的に前任者の彼らを指していることになる。つまり、胡錦濤時代と江沢民時代を通じて、海外での法輪功攻撃は基本的に失敗だったということだ。
袁紅氷教授は、習近平が見た失敗の主な表れは、法輪功のメディアが弱体化したり、消滅するどころか、国際的に、中国語圏だけでなく英語圏でも、中国共産党の主要な「敵対勢力」になったことだと考え、これが習近平の結論だと述べている。
習近平は法輪功攻撃の失敗の原因をどのように考えているのだろうか?
袁紅氷教授によれば、第一に法輪功への対処と粛清に関する全体的な戦略配置において、組織的な強力な調整が欠けていたことが挙げられる。つまり、中国共産党の海外での法輪功攻撃では、組織的に緻密で強力な調整が行われていなかったという。
次に、法輪功攻撃の方法について、習近平はその手法があまりに保守的で時代遅れであり、新しさがないと考えている。特に、習近平は、当局の、主に浸透、分断、崩壊の手法への依存が、実際にはほとんど成功していないことを指摘した。
最後に、習近平は法輪功攻撃の失敗の原因として、中国共産党が海外で法輪功問題に多額の資金を投入したことを挙げている。共産党の中央規律検査委員会はこれらの資金を把握しており、かなりの部分が無駄に使われ、一部は横領されていたとされている。
そのため、第18回党大会以前に海外で関連活動に従事していた人々について、習は取調べを行い、処罰すべき者は処罰し、連絡を絶つべき者は連絡を絶つべきだと述べ、「法輪功に対抗する新たな力を育成する必要がある」と提案した。
袁紅氷教授は、習近平が海外における法輪功攻撃について、情勢が極めて厳しいと考えていると述べた。
中国共産党は国際的に膨大な人的、物的、精神的、金銭的資源を投入したにもかかわらず、法輪功のメディアは国際的に成長し、中国共産党に対抗する勢力としてメディア界で主導的な役割を果たすようになった。袁教授は、習近平はこれを関連部門の重大な職務怠慢と見なしていると考えている。
政法委員会での法輪功迫害組織の役割分担に調整
袁紅氷教授は、習近平が期限を設けて状況改善を指示し、国際的に法輪功の「勢い」を抑え込むよう求めたことが重要だと述べた。
具体的には、政法委員会が主導し、国内外の法輪功攻撃行動を調整するための組織的な再調整が行われる。国内では公安部、海外では国家安全部が法輪功攻撃を担当することが明確にされた。これが国家安全部長の陳一新が活発に動いている理由の一つと考えられている。
政法委員会は、統一戦線工作部と外交部の関連部門を調整し、陳一新の国家安全部と協力して、海外で法輪功を攻撃することを決定した。これは新たな組織的調整である。
袁紅氷教授は、習近平が新しい力の育成を特に重視していると述べている。習近平は、過去の人々が汚職に関与しすぎていた可能性があるため、過去の力を動員せず放棄すべきだと考えている。
また現在の中国共産党による法輪功への攻撃は、第20回党大会前に行われた政法委員会の会議から始まった。そして国家安全部が海外の重要地域を担当し、法輪功に対する攻撃のための拠点を設立したと袁教授は説明している。
以前は、海外は国家安全部はスパイ防止のみを行っており、海外担当は外交部や公安部の610弁公室であったが、現在は国家安全部が主導している。一部は重複もあるが、法輪功に関しては国家安全部が主に海外を、公安部が主に国内を担当している。国内でも法輪功への攻撃が強化されている。
大紀元が以前入手した公安部内部の情報によると、中国共産党の国家安全部と公安部(軍は含まれない)はそれぞれ独自の人員を海外に持ち、自らのスパイを管理している。また、公安部は海外に複数の局を展開しており、法輪功に対しては主に公安部第四局(いわゆる反邪教局)が担当している。
中国共産党の世論戦と法律戦 矛先は法輪功創始者へ
袁紅氷教授は、習近平が「具体的な行動計画において、一つの中心、二つの基本方向」について言及したことを特に強調した。
情報源によれば、習近平が言う「一つの中心」とは法輪功の創始者とその家族を指し、「直接法輪功の創始者を標的にする」ということだと明かされている。
袁紅氷教授は、習近平が中国共産党の第18回党大会以前に法輪功を攻撃しても効果がなかった理由の一つとして、重要なポイントを把握していなかった、つまりその核心を理解していなかったと考えていると述べた。
習近平の意図は法輪功の創始者の人格を徹底的に攻撃し、さまざまな問題を利用してその攻撃を行うことである。私たちの言葉で言うと、これは「人格殺人」と呼ばれ、習近平が言うところの「一つの中心」にあたる。
袁紅氷教授は、2つの具体的な戦略を説明した。一つは世論戦、もう一つは法律戦だ。世論戦はさらに2つに分かれ、その1つは非公式なメディアやセルフメディアを利用して法輪功を攻撃することだ。これらのメディアは表面上、中国共産党の公式な立場を持っていない。
袁紅氷氏によると、習近平は中国共産党の公式メディアを利用することに2つの大きな欠点があると考えているという。
第1は、法輪功問題が長年未解決であるにもかかわらず、公式メディアが介入すると、中国共産党の威信が大きく損なわれることだ。
第2は、公式メディアが国際的に世論を宣伝しても、効果が薄いということだ。最も効果的な方法は、アイデンティティや立場、観点が曖昧なメディアやセルフメディアを利用し、中国語や英語を問わず、これらのメディアを通じて世論戦を展開することだと述べた。
袁紅氷教授はまた、習近平は法輪功メディアへの浸透が重要だと考えていると述べた。
中国共産党当局は、過去の情報収集のための浸透方法を見直そうとしており、これらの情報収集には大きな価値がなく、法輪功メディアを打ち負かすのには役立たないと考えている。
そして新しいアプローチを用いて、法輪功に対して「高度な中傷」を行おうとしている。内部に人員を浸透させて操作し、法輪功メディアの情報の信頼性を損なうことが、中国共産党の新たな手法だ。
元飛天大学の学生張郡格が神韻芸術団や飛天大学、飛天芸術学院など8つの機関と個人を訴えた件について、袁紅氷教授は、実際には1か月以上前から共産党が法律戦を仕掛けるという情報を常に受け取っており、その中には法廷での具体的な戦略も含まれていたと述べた。
袁紅氷教授は、これは約1か月半前に知った情報であり、最近になって、神韻芸術団など8つの機関と個人が訴えられたことで、この情報が根拠のないものではなかったことが証明されたと述べた。
「中国共産党を好き勝手にさせてはいけない」
袁紅氷教授は、法輪功の学習者が運営するメディアが、中国共産党の暴政を国際的に暴露する重要な役割を果たしていると述べ、世界全体が中国共産党を自由にさせてはいけないと強調した。
「法輪功の学習者がメディアを運営したり、神韻芸術団を設立したりするのは、単に生活のためではない。彼らは自発的に奉仕するために活動している。すべての法輪功の学習者は、この活動に参加するために来ている」と袁紅氷教授は語った。
これは現在の世界で最も偉大な公益事業であり、中国共産党の暴政の邪悪な本質を暴露することだ。他の団体に対する法律でこれを測ることができるだろうか?
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