今月27日は中国の李克強前首相の1周忌。
27日の日に予定されていた河南省の大規模マラソン大会や今月安徽省で開催される予定のレースも、すべて「都合により」延期になっている。
大会延期の「事情」が何であるか、主催側は具体的に明かしていないため、レースへの参加をすでに申し込んでいた選手のなかでSNS通じて「どんな事情か説明して!」と不満を表明する人も多い。
河南省は李克強氏が生前働いていた場所であり、安徽省は李氏の旧居がある場所だ。しかし、大会延期の「事情」が李氏の命日と関係あるかどうか、誰もこの話題についてあえて言及する者はいない。
中国の著名な女性ジャーナリストの高瑜(こう ゆ、北京在住)氏によれば、「友人が何人も28日まで中国共産党当局によって監視・管理されている」と明かしている。「友人の行動が制限されるのは、李克強氏の命日と関係している」と高氏はいう。
高氏自身も、通信手段がすべて公安によって遮断されている。
当局は「何を恐れているのか?」
昨年、急死した李克強前首相のゆかりの地では、市民による自発的な献花が絶えなかった。しかし、こうした「追悼の動き」をきっかけとして、政府への抗議活動が起きることを警戒する中国政府は、李氏の追悼を禁じるようになった。
「習近平に冷遇された、中国史上、最も哀れな首相」としてのイメージが、中国の民衆のなかで定着している李氏。なぜ人民は何か輝かしい功績を残したわけでもない彼の死を悼むのか。
「人々はただ、これを機に中国共産党当局に対する不満を発散させているだけだ」
と多くのアナリストは分析する。
いっぽう、李克強氏の「突然過ぎる死」をめぐっては、今も話題が尽きない。
療養先の上海のホテルのプールで泳いでいたときに心臓発作で死去とは言うが、その死に至るまでの過程で「死亡時の不自然さ」や「医療処置の不備」など、指摘される多くの謎がある。
さらには、あくまで噂ではあるが「上海武装警察総司令の陳源氏に毒殺された」など、各種の暗殺説も未だに尽きない話題になっている。
(北京市内の様子、黒ずくめの男たちは「仕事中」の私服警官と思われる)
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