【閲覧注意】本記事には、残虐な映像や画像があります。ご注意ください。
河南省鶴壁市にある職業訓練高校「鶴壁技師学院」の教室で起きた凄惨な「学校いじめ」の様子を捉えた動画が9月27日にSNSに投稿され世間を震撼させた。
現場にいた生徒が撮影したと思われる動画のなかでは、黒い服を着た男子生徒がイスを高く持ち上げて、白い服の男子生徒の頭や背中を目掛けて思いっきり振り下ろしていた。それも、何度も何度も。辺りの床は、被害者の血で染まり、被害生徒は最初は反抗していたが、ついには両手で頭を抱えて床に伏せた、それでも残酷な暴力は続いていく。
注意すべき点は、その時、教室の中には他の生徒も結構いたことだ。スマホでその暴行の様子を撮影していた生徒が何人もいる、しかし、みな、まるで自分と関係がないかのように、冷静で、傍観するだけ、その明らかに「やり過ぎ」な暴行を、本気で止めようとする者は誰一人いなかったのだ。
(当時の様子、モザイク処理済)
記事に添えた動画はモザイク処理が施されたもので、暴行シーンの大部分がカットされている。モザイク処理なしの元動画のリンクは、既に削除された模様。
この事件が世論の注目を集め、多くの中国メディアが取り上げ報道しているが、いずれも「いじめではなく、『喧嘩』であり、被害生徒は命に別状なく、事件は調査中」とする現地当局の通知を伝える内容のものばかりだ。
しかし、国際放送「希望の声(soundofhope.org)」は「白い服の生徒は亡くなっており、現地では情報封鎖が行われている」と報じている。それによると、学校側は外部に情報を漏らさぬよう学生たちの口を封じ、スマホで撮影された事件関連の写真や動画の削除を求めている。また、ネット上でも事件関連情報は検閲されており、関連投稿は次々と削除されているという。
「被害生徒は亡くなっており、加害者生徒の家は権力を持っているため、学校側は事件を隠蔽し、階段からの転落死としている」といった説もあり、ネット上にも多くの情報が錯綜している。目下、被害生徒が生きているかどうかの確認はできていない。
それでも、クラスメイトの頭部目掛けてイスを力いっぱいに振り下ろせば、相手が重傷、最悪の場合は死ぬかもしれないことくらいは想像に難くない。それなのに、「後のこと」などお構いなしに何かに憑りつかれたかのように狂気の沙汰で相手を傷つけようとする黒い服の男子生徒、そして、周りの生徒の「冷淡さ」に世論は衝撃を受けている。
「この国、絶対おかしい」、「子どもたちは人間として大切な心が欠如している」など、ネット上では良識あるユーザーによるやるせない嘆きとともに、「中国社会に蔓延する邪気や殺気、そして社会全体の道徳低下の元凶は、過去数十年にわたる憎悪教育によるものだ。そのような教育が今回の悲劇をもたらした」と憤慨する声が広がっている。
今年3月にも、河北省邯鄲(かんたん)市で起きた中学生3人による同級生の殺害および死体遺棄事件が、中国のネット上で大きな話題になった。
金を巻き上げられて鉄スコップで惨殺され、遺体を野菜ハウスのなかに埋められた王子耀さん(13歲)、その遺体の頭部は骨がめちゃくちゃに破壊され、悲惨なレントゲン写真がネットに出回り、世間を震撼させた。
「まだ中学生の子供が、どうして同級生を殺害するような悪魔になってしまったのか」
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